倍率は10倍! 『笑点』観覧で目撃したお年寄りたちの″本気″

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[ご長寿番組潜入記]

 今回は『笑点』(日本テレビ系)を観覧してきた。バラエティー番組では日本最長なのではないだろうか、なんと45年続く超ご長寿番組である。まさに国民的テレビ番組だ。収録会場は後楽園ホール。東京ドームでジャニーズコンサートが開催されているときは若者でごった返す水道橋付近が、この日は高齢者で賑わっている。後に知ったことだが、観覧倍率はなんと10倍だという。ヤフオクでも流通しないだけにまさにプレミアチケットだ。

 通常バラエティー番組の観覧では、番組ADなどが客を整列させてから席を指定していくが、『笑点』は自由席のため開場と同時に席取り合戦。熱狂的なファンと思われる方々が、会場内の階段を我先にと駆け下りて席を奪いとっていく。「ゆっくりお進みください。席はたくさんございますので」と会場アナウンスが何度も入るのも、高齢者の足腰を心配してのことだろう。約300席、後ろの席まであっという間に埋まった。

 後楽園ホールはご存知、プロレスやボクシングの聖地だが、45年も『笑点』の収録をやっている「お笑いの聖地」でもあるわけだ。矢吹ジョーと力石徹が(『あしたジョー』)、一歩と千堂が(『はじめの一歩』)、堀口元気と関拳児が(『がんばれ元気』)、数々の名戦が行われた後楽園ホールのリングが、今この時間は一流落語家たちがしのぎを削る舞台になっている! と、一人で静かな感動にうち震えた。

 前説は、女性の噺家さんがチャキチャキと盛り上げていた。他番組では若手芸人の強引な力技で笑わざるを得ない空気が作られることがあるが、『笑点』は安定感のある前説で笑いも自然だ。収録直前に、歌丸さんが観覧席で演目紹介するシーンの撮影が行われた。運良く我々の斜め後ろに歌丸さんが着席! 何度もテレビで見た光景がたったいま後ろで撮影されている......テレビで見ているときは「歌丸さんの周りの観客が、不自然なまでに前方をみているのはどうして?」なんて思っていたものだが、あれは仕方ない。舞台を見ている体にしなきゃいけないんだと初めて理解した。これから行く方は、傾斜のある椅子席の中央、前から4、5列目に座ると師匠と一緒にテレビに映れるかもしれない。

 さて、演芸はマギー司郎とスリムクラブが登場。まさか『笑点』でM-1準優勝の最旬芸人が見られるとは思わなかった。観客の認知度はマギー司郎より劣るだろうが、ニューフェイス起用にも積極的なようだ。マギー師匠の、縦縞が横縞に変わるお馴染みのマジックをありがたく拝んでおいた。そして、ついに大喜利コーナーがスタートした。あのテーマ曲が会場に響き渡る。歌丸師匠から小遊三さん、好楽さん、木久扇さん、円楽さん、昇太、たい平、そして山田くん。着物の色が鮮やかで、並んだ絵面はまるで正月のような華やかさだ。大喜利は滞りなく進んでいき、言葉をかみまくる昇太、笑顔が可愛らしい木久扇、強面だけど隠れたいじられキャラ小遊三、仲介役の好楽、優等生キャラたい平、と見事なチームプレーが発揮されていった。

 観客もヒートアップし、前方では、歌丸師匠に座布団の枚数を指示する客が現れた。ネタが言い終わるたび指を掲げながら「2枚!」「1枚!」と言っている。セリじゃないんだから。もちろん、そんな意見に歌丸は左右されはずもない。しっかりと己のジャッジで座布団を指示している。南国鳥のようなけたたましい笑い声のおばちゃんもいたりと、会場は大盛り上がりである。

 分かったのは、『笑点』は単なるバラエティー番組ではなくもはや伝統芸能だったのだ。大相撲中継と『笑点』が楽しみだという高齢者も多い。相撲が大変なことになっている今、高齢者たちのためにも、この番組だけは八百長だのヤラセだの仕込みだの言わないで守ってほしい。『笑点』だけアナログ対応してやってはくれまいか。そして、日本人なら是非生で見ておくことをお勧めする。

観覧方法:番組公式HPからはがきで応募
客層:50〜70代、活きのいい中高年メイン
特典:ナシ

みかのはらミキ
漫画イラストレーター。1980〜90年代好きで、有名人を「やや〜最大に美化」して描くのが持ち味。「星ぽえ夢」スタッフとしては雑誌イラストや携帯コンテンツなどでも活動中。芸能愛に溢れるブログも絶賛更新中。

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