W杯4日目の第2試合、日本対カメルーン戦には、ポール・ルグエン監督の母国フランスも大いに注目した。フランスのメディアは、リーグ・アン出身選手の多いカメルーンに、“本命”オランダに次いでグループEを突破する期待をかけていただけに、日本にあっけなく敗れた初戦の結果には、おおむね“失望”の反応を示した。

 フランスのレキップ紙は翌15日、「ニッポン、カメルーンに一本勝ち」と柔道大国ならではの見出しを掲げて、日本の殊勲を称えた。記者は「ポール・ルグエンのW杯デビュー戦は、グループEでもっとも弱いと見られた国との対戦で、悪夢の結果に終わった」と書き出している。

 日本については、「前日まであれほど酷評された岡田武史の選手たちが、突如として並外れたプレーヤーになった、と主張するとしたら大げさだろう。しかし彼らの的確に守る能力、相手を脅かす最小のチャンスを逃さない能力は、少なくともグループのダークホースとしての役割を認めさせるだけのものはあった」と評した。

 さらには、「強気にベスト4と掲げた目標によって、岡田監督は日本で“気がふれた”との扱いを受けた」というエピソードを紹介しつつ、「カメルーンの強力なフィジカルを封じ込めたことで、あらゆる悲観的な兆候を吹き飛ばし、大会における自分たちの居場所を確保した。もちろん、精彩を欠いたカメルーンを倒したからといって、4強が保証されたわけではない。しかし、ほとんどチャンスがないと見られたグループEであげた国外でのW杯初勝利が、今後に希望をもたらしたのはたしかだ」とグループリーグ突破の可能性が大きくひらけたことを認めている。

 ゴールをあげた本田については、「前線での豊富な動きで、カメルーンのディフェンスをしばしば苦しめた」と評価、日本の“毒薬”(相手チームにとっての脅威、の意)と命名し、中盤でカメルーンの攻撃の起点を絶った長谷部とともに、この試合最高の7点をつけた。他の選手については、DF陣の闘莉王、中澤、駒野と、決勝点をアシストした松井、遠藤に6点をつけた一方で、GKの川島、長友には4点と辛い評価だった。