好きな人の視界に入っていたい。中高生のころ、彼にうまく話しかけることのできなかった私は、ただ視線を向けてほしいがために生徒会に入ったり、体育祭の団長をしたりと、とにかく目立つようにしていました。今思うと、ただ見られたいがためにそこまでさせる恋のパワーは本当に偉大だと思うのですが、巨大なパワーだからこそ、一度方向性をまちがうととんでもないことになってしまうもので……。

好きな人にアピールするつもりが、変な子になってしまった! そんな「恋のピエロ」エピソードを中高生時代編、大学生・社会人時代編にわけて集めてみました。

<中学、高校生編>

■ 下校時間はお近づきのチャンス?(23歳/メーカー)
下校中、うしろに彼がいるときは、一緒に帰りたくてわざとゆっくり歩いて距離を縮めようとしていました。だいたい50m進むごとに靴紐を結び直したり、わざとハンカチを落としてみたり。彼からは気味悪がられていたようで、完全な空回りでした……。

似たような経験で、私は下校途中にある犬小屋でひたすら犬とじゃれていたことがあります。うしろから彼がやってくるのをチラ見しながら。

■ ふたりの間を汗だくで通過(23歳/イベント会社)
修学旅行で行った京都の清水寺。長い坂道を汗だくで歩いていると、前方に大好きな彼がクラス一のかわいい子と仲よくおしゃべりしているのを発見。やきもちにボッと火がついて、ものすごいスピードでふたりの間を突っ切りました。ハアハアいいながら無言で……。

恥ずかしさより、やきもちが勝ってしまった瞬間ですね。リアルな息づかいが、ただならぬ執念をうかがいうかがわせます。

■ 綾波レイに変身!(26歳/商社)
友人伝いに彼の好きなタイプを聞くと、「綾波レイが究極の理想」とのこと。次の日には腰まであった髪の毛をバッサリショートカットにし、「ミステリアスで体温低そうな女」を演じるべく、しばらく笑いもせず無口になってみた。さりげなくやったつもりが、本人にバレバレ。ある日「無理すんな」と書かれた手紙をもらいました。

「私も綾波レイが好き」とアピールするくらいが無難だったと思われます。髪まで切るなんてアッパレです!

<大学生、社会人編>

■ 恋愛ハウツー本にマーカーと付箋を張りたくって勉強した(27歳/建設業)
先輩にひと目ぼれした私。恋愛経験が浅いため、恋愛ハウツー本を7冊購入。受験生ばりに勉強してすべて本の通りに行動しました。努力の甲斐あってか、うまくいきかけたのですが、先輩から「俺のこと好き?」と聞かれたときに「好き」と答えられず……。理由は、ハウツー本にあった「決め手は彼に言わせろ」と書いてあって、「彼が好きと言う前に好きと言ってはいけない」と思いこんでいたためです……。

結果、先輩から「俺のことが遊びならもういいよ」と言われ、そんなことを言われた際の対処法はどの本にも書いていなかったのだとか。恋愛はマニュアルではないと思いますが、ここまで勉強熱心だと、なんだかいじらしさを感じます……。ひたむきさの方向をまちがえただけだと思います!

■つい手がでてしまうんです(25歳/広告)
素直に「おはよ☆」なんて言えなくて、だけどなんとか気を引きたいから、コピー機の前に立つ彼の背中に「ゴスッ」とパンチ。とにかく手がでてしまうんです。それも、じゃれてるとまわりに思われないよう、かなり強めに……。この間、同じコピー機の前でほかの女性社員が彼に「えいっ☆」とかわいく膝カックンをしているのを見たときは涙が出ました。

好きな女の子をいじめちゃう男の子の、逆バージョンでしょうか。彼がもし究極のドMだったら、膝カックンよりパンチのほうがぐっとくるかもしれませんね。

一緒に帰りたいならそう言えばいいのに、言えずにアレコレ考えてしまい、その間にほかの女の子がササッと「一緒に帰ろうよ」と彼を誘っているのを見た瞬間……鬼の目ならぬ、ピエロの目にも涙です。こと恋愛に関しては「ぐちゃぐちゃ考えるよりストレートに言っちゃったもん勝ち」なのでしょうね。

(栗林弥恵/プレスラボ)







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