21日付のル・モンド紙(夕刊)が、フランス代表の選手と関係をもったとされる売春婦のプロフィールや供述を明らかにした。

 「ザヒア・D」と呼ばれるモロッコ系の女性は現在18歳。2008年3月から売春をはじめ、月におよそ2万ユーロ(およそ250万円)を稼いでいた。1回のエスコートの料金は1000〜2000ユーロだという。

 彼女は、パリ8区シャンゼリゼ通りに面したビルの一角にあるレストランを通じて客をとっていた。4月12日に行なわれた警察の捜査で、同店から18人の売春婦が摘発された。

 彼女が警察に供述したとされる内容によると、彼女の“顧客”となったフランス代表の選手は、フランク・リベリ、カリム・ベンゼマ、シドネー・ゴヴの3人。

 リベリとは2009年春に関係をもった。リベリの住むミュンヘンまで飛行機で“出張”したという。彼女は当時17歳だったが、未成年であることは隠していた。

 リベリ本人も、“証人”として受けた警察の事情聴取で、ほんとうの年齢は知らなかったと語った模様だ。ただし「料金2000ユーロ」を支払ったことは否定し、旅費と滞在費を払っただけと主張したと伝えられる。

 ゴヴが彼女と一夜をともにしたのは、つい先月のことだったとされる。したがって彼女はすでに成人年齢に達していた。

 これまでに事情聴取に応じた以上の2人に加え、3人目の“証人”となるのが、カリム・ベンゼマだ。ザヒア・Dによると、ベンゼマが彼女と関係をもったのは2008年だった。これがほんとうなら彼女は当時16歳だったことになる。ベンゼマが事情聴取を受ける日時は明らかになっていない。

 司法関係者によると、たとえ未成年売春の事実があったとしても、売春婦が年齢を偽っていたとなれば、顧客側の立件はむずかしい。現時点では、そしておそらく今後も、“法的には”リベリやゴヴの弁護士が主張する通り、選手たちは証人として警察の捜査に“協力”したという事実が残るだけだ。しかし本人たちは、フランスではめずらしく過熱した“プライバシー報道”により、さまざまな面で大きなダメージを受けるのは間違いない。

 なお、これまで証人として警察が召喚するフランス代表の選手は合計で4人いると報じられ、「南仏のクラブ」でプレーする「代表」歴のある選手ということで、ハテム・ベン・アルファ(マルセイユ)の名前が取り沙汰されたが、本人がレキップTVを通じて「僕じゃない」と苦笑いを浮かべながら否定した。