参院選の過半数獲得は遠のいた?

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   新聞やテレビなどメディアの世論調査で、鳩山内閣の「不支持率」が軒並み上昇し、50%を超えた。これに呼応するように、参院選(比例区)で民主党に投票すると答えた人は、読売新聞の調査で25%、フジテレビの「新報道2001」では22%となるなど、いずれも前回調査を下回る結果となった。民主党が参院で過半数を獲得することについて、「そうは思わない」と答えた人も多数を占めた。

内閣支持率「不支持」上回り、さらに差が開く

   読売新聞が2010年3月5〜7日に実施した全国世論調査によると、鳩山内閣の支持率は41%となり、2月の調査に比べて3ポイント下落。「不支持」は3ポイント上昇し50%に達した。「不支持」が「支持」を上回り、さらにその差を広げている。

   また、JNNの調査では「不支持」が前回調査より6.9ポイント増え、61.9%。「支持」は37.7%だった。フジテレビは「不支持」が55.8%、「支持」が37.2%だった。発足直後の09年10月には80%超の支持を得ていたが、半年足らずで半分以下に落ち込んだ。

   こうした内閣支持率の急落が政党支持率にも影響し、読売の調査では、民主党は31%と前回と比べて2ポイント下がった。

   支持率が悪化した原因は、「政治とカネ」の問題だ。鳩山首相や小沢幹事長の偽装献金問題に加えて、民主党の小林千代美衆院議員の陣営幹部が北海道教職員組合から違法献金を受けていた事件が明るみになったことで、国民は厳しい視線を向けている。

   「政治とカネ」について、小沢幹事長が「説明責任を果たしていない」という声はいまだに多く、読売新聞でも83%が「説明すべき」としている。しかも、民主党の支持層にもその声は少なくないという。

共同通信調査では自民と民主がほぼ拮抗

   注目されるのが参院選に向けた有権者の動向だ。鳩山内閣の高い支持率もあり、一時は参院選の過半数獲得が確実視されたが、急速に危なくなっている。参院選で「民主党を支持する」と答えた人は、読売新聞とJNNの調査では25%、フジテレビ22%、共同通信26.9%で、いずれも前回調査より下げている。

   自民党は民主党との差を2〜5ポイントに詰めており、共同通信の調査ではほぼ拮抗している。自民党の支持率はほぼ横ばいだが、民主党の急落でその差はなくなってきた。

   また、民主党が参院で「過半数を獲得するほうがよい」と答えた人も減少。読売新聞では「過半数がよい」とする人が33%、「そうは思わない」が57%を占めた。フジテレビでは「民主党の単独」が望ましいと答えた人は16.2%だった。

   とはいえ、「首相にしたい」人となると、鳩山首相が、自民党の谷垣総裁を2倍以上の差で引き離している。JNNの調べでは、自民党の舛添前厚労相が「ふさわしい」とする声が少なくなく、13%を占め、鳩山首相は8%で第2位だった。

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