フラメンゴFWアドリアーノの再生を説明するものが、母国へ戻り、家族や友人と再会したことなのは間違いない(彼本人もそう何度も話している)。だが、フラメンゴ首脳陣が彼を可愛がり、特別扱いしていることも、アドリアーノがインテルでの大金と、ヨーロッパの名声ある舞台を諦める要因だったようだ。

フラメンゴの幹部マルコス・ブラスは、「アドリアーノには違う扱いを受ける権利がある。彼が練習しないと決めたら練習しない。それだけだ」と語っている。さらに同氏は、「アドリアーノには大金の価値ある。クラブイメージの復活と、何より金銭的にね。それで彼は、ほかのすべての選手たちとは異なる扱われ方をされる権利を持っているんだ」と続けた。

ブラス氏によると、ドレッシングルームの中でアドリアーノに対する嫉妬や妬みも心配することはないという。「チームの全員に聞いてみるといい。納得していないとか、アドリアーノと問題があるかどうかをね。全員が彼に興奮しているんだ。それに、彼はプレシーズンキャンプで最もトレーニングした選手の一人なんだよ」

つまり、昨季19ゴールを挙げて得点王に輝いた“インペラトーレ(皇帝の意。アドリアーノの愛称)”の復活は、イタリアとブラジルの気候の違いだけでなく、彼が絶対的に「大勢のうちの一人」ではないと捉えられたからでもあったのだ。ブラス氏は「もしもインテル時代のように我々が扱っていたら、彼はずいぶん前に出て行っていただろう」とコメントしている。

そして、クラブのこの姿勢は確実に成果を挙げている。昨季のブレイクだけでなく、アドリアーノはフルミネンセとのダービーでハットトリックを決めただけでなく、3日のオラリア戦でもゴールを決めるなど、大量得点をマークしているのだ。