フィオレンティーナに所属するルーマニア代表FWアドリアン・ムトゥは、1月10日のバーリ戦後に受けたドーピング検査で、薬物の陽性反応が出ていた。しかし、彼のトラブルはこれだけではなかったようだ。

同選手は、1月20日のコッパ・イタリア準々決勝ラツィオ戦でも、同じようにシブトラミンの反応が出ている。イタリア五輪委員会(CONI)が、29日に明かした。

この試合はフィオレンティーナが3−2で勝利し、準決勝に駒を進めているものの、ドーピング検査に引っかかったムトゥが2ゴールの活躍を見せている。また、1月10日のバーリ戦に2−1で勝利した際も、ムトゥは1点を記録していた。

「その薬のせいよ」。選手の母、ロディカ・ムトゥは息子を擁護した。ムトゥから出た薬物シブトラミンは、食欲を抑える効果のほか、抗うつ薬としても知られている。ルーマニアのテレビ『Telesport』にコメントを残したロディカさんは、「薬の使用上の注意には、何も書いてなかったの」と強調した。

さらに、「まだ彼とは話をしていないし、弁護士とも話をしていないわ。でも、落ち着かないと。薬は私と一緒にイタリアへ持っていたもので、彼はすっかり忘れて飲んだのだと思う。ただの好奇心だったと思うわ。アドリアンは普段、水に溶かすタイプの薬は飲まないの。箱にはナチュラル製品だって記されていたわ。禁止薬物が含まれているなんて書いてなかったのよ」と説明している。