日本では一部でサンテティエンヌの松井大輔のグルノーブル移籍合意が報じられたが、フランスでは24日の時点でまだいっさい明らかになっていない。先週レキップ紙がヴァンティエ会長代理の「まだ交渉中。(グルノーブルの)渡辺会長が本人および(古巣の)京都と深い関係にあり、有利に進んでいる」という談話を伝えたのみだ。

  リーグ・アン昇格1年目のシーズンを13 位で終えたグルノーブル。ナント、ル・アーブルといった昇格組が相次いで1部の壁に阻まれて再降格となった中、リーグ最少得点ながら堅い守りを武器に残留を決めたのは出色の健闘といえる。ただし、レンタルの戦力に多くを頼ってやりくりして来たため、オフの補強は非常に重要だ。

 モレイラ(レンヌ)、グランダン(マルセイユ)ら期限付き契約の選手、守護神ヴァンベら契約満了の選手など合わせて十数人が抜ける可能性があるが、いまのところ正式に獲得が発表された選手は2人。しかし、リヨンからレンタルした若手DFサンディ・パイヨット(22)の完全移籍に成功し、サンテティエンヌからジョディ・ヴィヴィアニ(27)を獲得できたのは大きい。

 パイヨットはフランスのU-21代表にも選ばれたことがある191センチの大型センターバック。グルノーブルでは後半戦の17試合にすべて先発で出場し、ディフェンスながら4得点をあげた。ヴィヴィアニはサンテティエンヌでジャノと正GKの座を争った逸材だ。

 サンテティエンヌからは、右サイドバックのダヴィッド・ソジェ(29)の獲得も合意と伝えられたが、24日付のレキップ紙によると、結局本人の意思で白紙撤回となった。実現していれば大きな戦力となっただけにグルノーブルにとっては悔やまれる。

 会長代理はまた、「アフリカのある国の代表選手」と合意に至ったが、メディカルチェックで関節に問題があったことが判明し、契約を断念したことも明かした。この選手は他のフランスのクラブとも交渉中であるため、名前は公表されなかった。