ブラジル代表を率いるカルロス・ドゥンガ監督が、現在イタリアで厳しい状況に置かれているインテルのブラジル代表FWアドリアーノ(26)、また母国ブラジル代表とイタリア代表の間で揺れるアマウリに対する見解を述べている。

――試合前日練習の遅刻や二日酔いによるコンディション調整不足など、今季も数々の問題を引き起こして、批判の対象となっているアドリアーノについては?

「またアルコールの話をしたいのか?あなた方イタリア人は、アドリアーノに対して酷すぎる。また、アルコールに関して間違った解釈をしている」

――それは、どのような?

「イタリアでは、コップ1杯のワインを飲むことは普通の行為と見られるが、それがビールになった途端に『アルコール依存症だ』と騒ぎ立てる。馬鹿げた話だ。我々ブラジル人はワインよりビールの方が好きなだけだ。逆にドイツでは、ビールを飲む人は普通だが、ワインを飲む人はアルコールに依存していると言われる」

――では、アドリアーノが2010年のW杯出場を目指すのであれば、ブラジルか欧州のどちらでプレーすることが有効か?

「ブラジル国内には、サッカー選手に対する多くの誘惑がある。欧州がベターだろう」

――アマウリの代表招集に対するあなたの見解は?

「ジュリオ・セーザル(インテルのブラジル代表GK)から電話があり、アマウリの招集を勧められたよ。ジュリオは信頼できる人物の1人だが…」

――だが?

「アマウリの代理人は、(代表招集への)プレッシャーを掛けることを止めるべきだ。彼はブラジルのメディアを通して、脅迫ともとれる言動をしている。彼は『アマウリにレギュラーの座を用意するように』と訴えた。代理人であろうとも、守るべきルールがあるはずだ。私を熟知している人間であれば、このような発言に対して私が憤慨するかを知っているはずだ。あのペレでさえ、レギュラーの座を要求しなかった。私の代表には明確なルールがある。そのルールについて、アマウリはカカやロナウジーニョに尋ねるべきだろう。バロンドール受賞者の彼らから。彼らもまた、レギュラーを要求したことはない。私が選手を招集し、ピッチに送り込む選手を選ぶ。カカとロナウジーニョは私のルールを受け入れている」

――ということは?

「アマウリを招集する意思はあるが、彼がレギュラーの座を要求することは認めない。ブラジル国内でもアマウリ待望論は浮上しているが、デビュー戦でミスを犯すことになれば…。彼に対する世間の信頼は一気に崩れる」