2シーズン連続で降格の危機を味わった“かつての”名門、パリ・サンジェルマン（PSG）の新シーズンに向けた補強作戦がようやく実を結びはじめた。

　2004年にモナコを出てバルセロナ、ASローマと強豪を渡り歩いたルドビック・ジュリ（32）の入団が18日に正式発表された。レキップ紙によると、3年契約で移籍金は250万ユーロ（約4億2300万円）、背番号は「7」。

　ローマを契約半ばで退団することになった理由については、「べつのリーグで新たな発見はあった。でもとても居心地がよかったわけではなかった。プレーの面ではなく、個人的な理由だ」としている。

　5シーズンぶりのフランスリーグ復帰で大きな期待を背負うことに関しては、「僕は怪傑ゾロじゃない」と救世主であることは否定したが、「期待されるのは当然だ。これも仕事のうち。それを責任と呼ぶなら、僕はそれを負う」と抱負を語った。

　PSGは今オフ、予算を増額してフランス代表経験のあるベテランたちを揃える構想を打ち出した。まず最初に、バルセロナを退団した元フランス代表DFリリアン・テュラムとは契約直前までこぎつけたが、テュラムの心臓に異常が判明する事態に至り、今月27日か28日まで結論が出ないことになった。

　ピレスやヴィエラの獲得も狙ったが実現せず。そして今回、ジュリの入団が決定し、次なるターゲットは、チェルシーのクロード・マケレレだ。PSGは35歳のマケレレに対し、2年契約＋1年延長のオプション、さらに引退後はスポーツ・ディレクターとして迎え入れる破格の待遇で交渉に当たっている。ネックは450万ユーロ（約7億6200万円）ともいわれる年俸だが、レキップ紙がクラブに近い筋からの情報として伝えたところによると、近く契約がまとまりそうだという。

　そのほかの代表経験者としては、レンヌの攻撃陣からシルバン・ビルトールとジミー・ブリアンを引き抜く計画がある。フランス代表以外では、レアル・サラゴサで昨季17ゴールをあげたブラジル代表FWリカルド・オリベイラを狙っている模様だ。

　PSGが現時点でジュリのほかに獲得できたのは、ほぼ無名のマリ人MFデンベレ・バシルーと、昨季まで松井大輔のパートナーだったMFステファン・セセニョンのみ。同じル・マンのCBマルコ・バシャとも交渉を続けていたが、オファーを拒まれたと報じられている。現在進行中の交渉も攻撃に偏りがちで守備陣が手薄になりそうなのが不安だ。