3月29日にスタッド・ド・フランス(パリ郊外、サン・ドニ市)で行われたリーグ杯決勝で、パリ・サンジェルマン(PSG)の一部サポーターが、対戦相手ランスの市民に対し「小児性愛者、失業者、近親交配者」と侮辱する内容の横断幕を掲げたことが波紋を呼び、社会問題に発展している。

 この件で警察は3日、横断幕掲示の首謀者と見られる3人の容疑者の身柄を拘束し、取り調べを進めている。サポーター団体の解散という厳しい処分が下される可能性もある中、PSGの中心的サポーター集団である「ブーローニュ・ボーイズ」を含む3団体は、それに先立って自主解散を発表した。レキップ紙などが報じている。

 なおPSGにクラブとしての責任を問うプロサッカー連盟(LFP)の規律委員会が来週10日に開かれる。委員会の公聴会で、PSGの責任者や審判団、リーグの試合担当者が事情聴取を受け、事件の経緯報告がまとめられたのち、PSGに対する処分が下される。

 規律委員会のアタリ副委員長によると、PSGへの処分は、勝ち点の減点、1試合の観客入場禁止といったあらゆる可能性が含まれる。事件はリーグ杯の試合で発生したため、選手権(通常のリーグ戦)に影響する処分は不適当という見方もあったが、今回の副委員長の見解でそれが否定された。したがって、来季の1部残留をかけた争いがつづくPSGにとって大きく響く減点処分の可能性が残されたことになる。