岡江久美子

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 30代以上にとって夏休みの思い出の「昼ドラマ」と言えば、『天までとどけ』シリーズ(TBSテレビ系)が挙げられるのではないだろうか。大家族をテーマとするホームドラマであり、平日月曜から金曜の13時から13時30分まで「愛の劇場」枠で放送された。1991年から1998年まで続いた第一弾、1999年から2004年までの第二弾が知られる。中でも、知名度が高いのは第一弾かもしれない。

 物語には、新聞記者をする父、雄平(綿引勝彦)と専業主婦の母、定子(岡江久美子)の間に生まれた8男5女の13人きょうだいが登場する。大学進学や就職などの進路選択、いじめ問題、非行、性教育といった、子供たちを取り巻くさまざまな問題が取り上げられた。

 このドラマに出演していた子役たちは現在どうなっているのだろうか。主要メンバーの現在を取り上げてみたい。

 きょうだいの内、もっとも出世頭と言えるのが、次男の信平(河相我聞)であろう。番組スタート時には中学三年で、シリーズパート2から人気が出始め、パート3からは医学部に進学したため、学業に忙しいという設定で、あまりドラマに登場しなかった。

 このほか本作では、警察官になった四男の五郎(須藤公一)も、現在も俳優としてコンスタントに姿を見る存在だ。

 優柔不断なところがありながらも、頼れる長男であった正平(高尾晃市)は、俳優業と並行して、現在はマジシャンとしても活躍している。当時の芸名は佐藤晃市であったが、俳優の佐藤浩市とよく間違われるため、現在の名前にしたようだ。

 お騒がせキャラとして、悪い意味で知られてしまったのが長女の待子(若林志穂)だろう。作品では、高校教師と結婚するも死別してしまう不幸な人物を演じたが、若林本人も、私生活で殺人事件の現場を目撃してしまい、そのショックから芸能活動を休止し、現在は引退状態にある。『天までとどけ』の共演者で行われる同窓会にも、姿を見せておらず、周りから心配されている。

 三男の公平(金杉太朗)は、ドラマ出演後も俳優活動を続けていたが、2008年に地下鉄ホームから泥酔状態で転落。頭を強く打ち33歳の若さで脳挫傷で亡くなってしまった。葬儀にはドラマの共演者が駆け付けたという。

 このほかの妹、弟たちは現在は芸能界を引退しているようだ。それでも、『天までとどけ』の同窓会パーティーには顔を見せており、やはり長く続いた作品だけに、本物の家族のような絆も生まれているのだろう。