匿名のネットワーク技術「Tor」を使用したAndroid向けブラウザがリリースされました。暗号化され、ログを残さないリレーサーバーをいくつも経由して通信を行う「Tor Browser」を使用すれば、スマートフォンでも匿名で安全性の高いブラウジングが可能です。

New Release: Tor Browser 8.5 | Tor Blog

https://blog.torproject.org/new-release-tor-browser-85

Tor Browser - Google Play のアプリ

https://play.google.com/store/apps/details?id=org.torproject.torbrowser

◆インストール

上記URLにアクセスして「インストール」をタップします。端末は「Pixel 3a XL」を使用しました。



インストールが完了したら「開く」をタップします。



最初にアプリを開くとこの画面が表示されるので、画面下部の「接続」ボタンをタップします。Tor Browserはセキュリティを守るため、使用中にスクリーンショットをとることができない仕様になっています。



画面下部にある「今すぐ開始」をタップします。



「TOR ネットワークへ」をタップします。



「次へ」をタップします。



「次へ」をタップします。



「次へ」をタップします。



「ブラウジングを開始」をタップします。これで使用準備は完了です。



◆基本的な機能

まずはブラウザとしての基本的な機能をざっくり確認していきます。Tor BrowserはAndroid版Firefoxを元に開発されているため、基本的な機能やインターフェースはFirefoxとほぼ同じです。右上のメニューボタンをタップすると……



メニューが表示されます。



どんな設定ができるのか見てみるため、「設定」をタップします。



設定項目はこんな感じ。「一般」をタップすると……



起動時や新しいタブで表示される「ホーム」のページを指定したり、言語や表示に関する設定を変更することが可能です。メニューに戻るには、左上の矢印のアイコンをタップします。



「検索」では、ブラウザの検索欄からの検索に使用するサーチエンジンを選択することができます。サーチエンジンは「Google」「Amazon.co.jp」「Bing」「Twitter」「日本語版Wikipedia」「Yahoo! JAPAN」から選ぶことができます。



「プライバシー」を開くと、Firefoxでも使用可能な「トラッキング拒否」や「トラッキング防止機能」の切り替えや、Cookieの許可に関する設定を変更することが可能です。



「アクセシビリティ」では、表示されるフォントのサイズなどを変更できます。



「お知らせ」では、Tor Browserに関する通知を受け取るかどうかを切り替えることができます。



「高度な設定」を開くと、アプリを終了した際のタブの状態を保存するかどうかや、メディアの表示関する設定が可能です。



このほか設定画面ではデータ削除、「規定のブラウザ」の設定、作者に関する情報の表示などが可能です。



GIGAZINEのトップページを表示してみるとこんな感じ。リレーサーバーを経由しているはずですが、特に表示がもたつく感じもなく、2〜3秒でロードされました。Firefoxベースのブラウザなので、タブブラウジングも可能です。赤枠で囲ったアイコンをタップすると……



現在開いているタブをサムネイル付きで確認できます。



◆匿名性をチェックしてみた

続いて、Tor Browserの特徴である、匿名でブラウジングできる機能を試してみます。

Tor Browserを使用しているとステータスバーに通信状況が表示されますが、その下にある、「New Identity」をタップすると……



「新たなTorの身元に切り替えました」と表示されました。このように、Tor Browserは使用中にいつでも接続ルートを切り替えることが可能です。



次に、ブラウザで収集される情報をチェックできる「webkay」にアクセスして匿名性をチェックします。まずは、比較のためにChromeでアクセスしてみると、かなり詳細に位置が特定されていました。



使用した端末の機種やOSなどのデータや……



IPアドレスやプロバイダも取得されてしまっています。



次に、Tor Browserでアクセスしてみると、アメリカのカンザス州からアクセスしていることになっていました。



OSや使用したブラウザ、端末情報なども適切に取得できておらず……



IPアドレスや回線に関する情報もChromeでアクセスした際に表示されたものとは全く違う内容になっていました。



◆まとめ

これまで登場してきた、セキュリティや広告ブロックなどに特化したブラウザアプリは、ブラウザとしての機能が必要最低限だったり、一般的なブラウザアプリと使い勝手が大きく違ったりして少し使いづらい印象があるものがほとんどでした。Tor BrowserはAndroid版Firefoxをベースに開発されているので、タブブラウザとしての洗練された機能を違和感なく使うことがでいて、アドオンも導入可能です。リレーサーバーを経由しているので匿名性は抜群で、アクセスしている端末の情報や位置が特定されることはまずないので、プライバシーを気にすることなくブラウジングすることができます。