Googleがスマホなど向け次期プラットフォーム「Android Q」のBeta 2をリリース!

Googleは3日(現地時間)、スマートフォン(スマホ)やタブレットなど向けプラットフォーム「Android」の次期バージョン「Android Q」にて先行プレビュー版「Android Q Beta」( https://developer.android.com/preview/ )におけるベータ版となる第2弾「Android Q Beta 2」を公開したとお知らせしています。

Android Qは今年3月にAndroid Q Betaの第1弾「Android Q Beta 1」(初リリース)が公開され、今回、3月下旬以降に配信予定だった機能追加や不具合修正などを行ったBeta 2(増分更新)がリリースされました。

今後は4月中旬以降に「Beta 3(増分更新)」、5月上旬の「Google I/O 2019」に合わせて「Beta 4(最終APIと公式SDK・Playサービス)」、6月下旬以降に「Beta 5(テスト用リリース候補版)」および「Beta 6(最終テスト用リリース候補版)」を経て2019年第3四半期(7〜9月)に正式版がリリースされる予定です。

恐らく過去の例からすると8〜9月あたりに正式版が提供開始されるものと見られます。なお、現時点では開発コード名やバージョン番号は明らかにされていませんが、順当なら現在のAndroid 9.x(開発コード名:Pie)の次なので「Android 10(開発コード名:Q****)」となると見られます。

Android Q Beta 2はBeta 1と同様にAndroidエミュレーターのほか、Pixel、Pixel XL、Pixel 2、Pixel 2 XL、Pixel 3、Pixel 3 XLで利用でき、ビルド番号は「QPP2.190228.021」でx86とARM(32・64bit)がサポートされており、ファクトリーイメージ( https://developer.android.com/preview/download.html?hl=en )が提供されています。

またPixelシリーズではベータプログラム「Android Beta Program」( https://g.co/androidbeta )を利用すれば、ネットワーク経由によるソフトウェア更新(OTA)が順次提供されます。詳細な更新内容は「Support and Release Notes  |  Android Developers」をご参照ください。なお、Androidの2019年4月分のセキュリティーパッチレベルも適用されているとのこと。


Android Qは現在の最新バージョンのAndroid 9 Pieの次のメジャーアップデートとなる予定のバージョンです。開発コード名はAndroidでは「P」が「Pie」、「O」が「Oreo」などのようにお菓子の名前が付けられるルールなので、Qも何かしらのお菓子となる予定です。

これまでにBeta 1の公開時に案内されていた新機能はすでに紹介しているように位置情報の許可を詳細に管理可能になるほか、プライバシー保護の拡充やフォルダブルスマホへの対応、ショートカットの共有機能、設定パネルの拡張などとなっています。

また無線LAN(Wi-Fi)ではWPA3やWOEに対応し、マルチメディアではオープンソースのビデオコーデック「AV1」や音声と音楽のストリーミング用に最適化されたコーデックである「Opus」をサポートし、ネイティブMIDI APIが追加されます。さらにANGLE on Vulkanがサポートされます。

その他、GoogleではAndroidにおけるセキュリティーとパフォーマンスを最大限にアプリで活用できるようにするための取り組みを拡大し、今年後半には「Google Play」にてSDKのターゲットバージョンを28に設定する必要があるとしています。

これにより、Android QではAPIレベル23より前のプラットフォームであるAndroid 6.x(開発コード名:Marshmallow)以前を対象としたアプリを最初に実行したときにダイアログで警告するようにするとのこと。同様に64bit化も進めており、今年後半にすべてのアプリで64bitのサポートが必要となります。


フォルダブルエミュレーター

一方、Beta 2で追加された機能は開発環境「Android Studio 3.5」を利用したAndroidエミュレーターにおいてフォルダブルスマホをAndroid仮想デバイスとして使用可能となっており、急速にエコシステム化が進んでいる折り畳み可能なデバイスに開発者が対応しやすくなっています。

またプライバシーへの対応も進めており、新機能の「Scoped Storage(スコープドストレージ」によってアプリは許可なくプライベートサンドボックスを使用できるものの、写真やビデオ、音楽の共有コンテンツにアクセスするには新しい許可が必要となります。


バブル画面

また「Bubbles(バブル)」と呼ばれるプラットフォームサポートを追加しており、アクティビティーを連携させてマルチタスクを利用する場合にアプリを再利用するための新しい方法で、現在の状況を維持しながら利用者が情報に優先順位を付けて別のアプリを利用するのに役立つとのこと。

その他、Beta 1におけるSharing Shortcuts APIが改善されているほか、オーディオ録音のために指向性ズームが可能なマイクを利用するためのMicrophoneDirection APIを使えるようになっているなど、さまざまなAPIの改善や追加が行われているとしてます。

なお、以前に紹介したようにAndroid Q Betaでわかる範囲でまとめた通常のユーザー向けの変更点は「Googleがスマホなど向け次期プラットフォームのプレビュー版「Android Q Beta」を公開!実際に「Pixel 3」に導入して新機能や変更点をチェックしてみた【レビュー】 - S-MAX」を参照してみてください。


手持ちのPixel 3をAndroid Q Beta 2にアップデートしてみたところ


記事執筆:memn0ck


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