【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官は15日、平壌で記者会見し、2月末にハノイで物別れに終わった2回目の米朝首脳会談をめぐって「われわれはいかなる形でも米国と妥協するつもりは全くない」と述べ、非核化交渉の中断を警告した。

 ミサイル発射や核実験の中止を続けるかも全て金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の決定に掛かっているとし、今後の方針について金氏が近く声明を発表すると明らかにした。

 AP通信やロシアのイタル・タス通信が報じた。首脳会談では、金氏が寧辺(ニョンビョン)・核施設の廃棄と交換に主な国連制裁の解除を要求。トランプ米大統領は全面的核廃棄を求めて合意に至らなかった。

 会談後もボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らがメディアで核に生物・化学兵器も含めた全面廃棄の必要性を強調し、歩み寄りの余地がないことから、北朝鮮が伝統的な揺さぶり戦術に出た形だ。

 崔氏は、国内で軍部などが核放棄に反対し続ける中、金氏は約束を履行するため、ハノイに行ったと説明。「米国は黄金のチャンスを無にした」と主張した。会談の物別れは、ボルトン氏やポンペオ国務長官が非妥協的な要求をし、米側が態度を硬化させたせいだと非難する一方、金氏とトランプ氏の相性はすばらしいと述べ、米側トップの軟化に望みをにじませた。

 北朝鮮のミサイル開発をめぐっては北西部、東倉里(トンチャンリ)の発射場で最近、施設を再建する動きが確認され、日米韓当局が注視している。