豚の死骸から検体を採取する農業委員会の関係者=同委員会提供

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(馬祖 20日 中央社)アフリカ豚コレラ中央災害対策センターは19日、中国・福建省に程近い離島・馬祖(連江県)の無人島、東キョ犀牛嶼の岸辺で17日に発見された豚1頭の死骸から家畜伝染病「アフリカ豚コレラ」の陽性反応が出たと発表した。同センターは、島は無人島で島内に養豚場がないことや検出されたウイルスの遺伝子断片、地理的な位置関係などから、豚の死骸は中国から漂着したものとの見方を示している。(キョ=草かんむりに呂)

同センターによれば豚の死骸が見つかった場所は、中国福建省を流れる河川、ビン江の東シナ海に注ぐ河口に近い。ビン江沿岸の同省南平市ではアフリカ豚コレラの発生が確認されているという。また、豚の死骸から検出されたウイルスの遺伝子断片は、中国のアフリカ豚コレラウイルスの分離株との類似度が100%に達していた。(ビン=門がまえに虫)

同センターは、豚の死骸と接触した職員や車両、地域などの消毒を同県政府がすでに行ったと説明。行政院(内閣)農業委員会動植物防疫検疫局は中国に対し、豚の死骸の処理を徹底することを管轄内の業者に要請するよう求めたという。

台湾では先月31日にも中国に近い離島・金門で豚の死骸が発見され、アフリカ豚コレラの陽性反応が認められた。この豚の死骸も中国から漂着したものとみられている。台湾本島では感染例が確認されておらず、政府は空港や港での防疫対策や豚肉製品持ち込みに関する啓発活動などを強化し、ウイルス侵入防止に力を注いでいる。

(余暁涵/編集:楊千慧)