稀勢の里を引退させたい勢を完全に論破する、最速でも今年の九州場所までは待つべきという圧倒的ファクトを提示しますの巻。
稀勢の里の引退は最速でも九州場所の見込みです!
大相撲の世界にはなにひとつハッキリとした決まりはありませんが、それでも目安というものは一応存在します。たとえば大関昇進ならば直近3場所を33勝以上であるとか、横綱昇進であれば2場所連続優勝に準ずる成績であるとかです。それは「品格、力量抜群」のような具体的にどうしたらいいかわからない真の基準を、「たとえばこういうことやぞ」と数値に置き換えたもの。多少の疑いがあっても、その基準に乗ってきたなら「真の基準」を満たしたと考えようじゃないかというセーフティラインです。
横綱の引退についても同様のことが言えます。真の基準はもちろん「品格、力量抜群ではなくなった」です。ただ、具体的には「こういうことやぞ」という数値は一般には共有されていません。何故なら、横綱というのはその数値のギリまでを攻めることは稀有だからです。将棋の羽生九段が「わ!王様取られた」と唸って負けたりはしないでしょう。「もうダメだな」ということを自ら察し、その前に投了するケースが一般的。同様に横綱も、大抵は「ギリのラインの少し手前」で辞めているのです。
今回は、過去の事例から僕が紐解く「たとえばこういうことやぞ」の基準をお伝えし、引退カウントダウンと噂される小横綱・稀勢の里の引退場所を見定めていきましょう。そして、「ファクト」に照らした物の見方を身につけることで、相撲取りでも横綱審議委員会でもない一般人の見識に流されないようにしていきましょう。もちろん誰が何を言おうと自由ですが、確たる「ファクト」のない「辞めろ」コールに従う必要はないのです。
↓世間はすぐに「辞めろ」と言いたがるけれど、それはそういう遊びです!
興味も関心も愛情もない相手に対しては「辞めろ!」とか「死ね!」とかすぐ言っちゃうんですよね!
弱い者の暇つぶしは、さらに弱い者を叩くことだから!
真剣じゃないんです、適当に言ってるだけで!
まず近年の横綱の引退について振り返っていきます。昇進の基準と同様に考えるならば、問われるのは直近数場所の成績となります。上がるときがそうなのですから、下がるときだけ「通算勝率がー」とか言うわけはありません。大関からの降格も「2場所連続負け越し」と決まっています。「何場所かつづけてキッツイ成績が出たら降格(引退)」と考えるのが適切でしょう。
また、昇進の基準がそうであるように降格についても「リセット」があります。よく「綱取りは継続している」とか言いますよね。あれは「まだリセットされてませんよ」の意味です。「準優勝⇒優勝(次場所は綱取り)⇒準優勝(次場所も綱取り継続)⇒惨敗(綱取り一旦リセット)⇒優勝(次場所は綱取り)」といった形で、一度高まった機運が数場所継続することもあれば、完全に途切れてゼロから再スタートとなることもあるわけです。
直近の成績がどれぐらい悪いのか。
「直近」の数え始めがどこなのか。
年6場所制となった1958年以降に引退した横綱全員について、晩年の成績を見ていくことで、そのラインを探っていきましょう。「デブが無様に転がっている」からと言って、その印象だけで引退を推し進めてしまうことがないように…!
↓1958年以降の横綱の引退すべてを記録し、まとめていきます!
過去の記録は如実に物語っている!
過去の記録からは、優勝する・しないという点はあまり問題とはされないことがわかります。第62代・大乃国は最大で20場所も優勝ナシで引退を迎えていますし、第60代・双羽黒はそもそも優勝せずに昇進し、優勝せずに引退しています。第48代・大鵬と同時期に横綱をつとめた第47代・柏戸や、第58代・千代の富士と同時期に横綱をつとめた第59代・隆の里のように「相手が強すぎる」というパターンもあります。その点で言えば、白鵬と同時期に横綱をつとめる稀勢の里は「何場所連続で優勝がない」という観点での引退はないでしょう。
横綱の責任が優勝争いにあるとすれば、ひとつの目安としては10勝が挙げられるでしょう。大関なら勝ち越せばヨシという部分もありますが、横綱がそれでは困るというのは理解できます。この点では第61代・北勝海と第66代・若乃花、第67代・武蔵丸が休場を含めて7場所連続で二桁勝利がない(見込めない)という状態で引退を決意しています。北勝海は9勝6敗での勝ち越しを挟んではいますが、それ以外はすべてが休場を含めた負け越しとなった場所。この三者からうかがうには、「丸一年ダメだった、そして進退をかけた7場所目でもダメだった」というのが自分も周囲も認めざるを得ない限界として浮かび上がってきます。
第65代・貴乃花が引退へと向かった際もひざの怪我の治療が1年に及び、7場所連続全休という史上ワーストの記録をマークしています。当初は「怪我が治るまでじっくり」という空気であった世間も、7場所連続全休は見過ごせなかった…つまり、このあたりがガマンの限界なのでしょう。そんな世間の圧力に抗い、強行出場で12勝3敗と気を吐いた貴乃花でしたが、怪我は一層悪化し翌々場所に引退を決めています。
つまり、「7場所連続ダメ」これこそが横綱が身を引かざるを得なくなる数値と言えるのではないでしょうか。
その点で言えば、稀勢の里はまだまだ大丈夫。平成二十九年五月場所から休場を含めて8場所連続での負け越しとなったあと、「この場所がダメならダメだろう」という平成三十年秋場所で10勝を挙げており、そこで一旦「進退問題」はリセットされています。現在問われている進退問題は平成三十年九州場所での初日から5連敗という体たらくに端を発した「新たな進退問題」です。
その限界ラインとなる7場所目は当年の九州場所。そこまでにしっかりとしたチカラを示し、進退問題を払拭すればいいのです。今場所での払拭はなかなか厳しいものがあるかもしれませんが、まだ十分に猶予はあります。そして、この期間に一度でも進退問題を払拭しておけば、東京五輪期間となる2020年の名古屋場所も見えてきます。五輪開会式での土俵入り披露、十分に狙えるラインと言ってもいいのではないでしょうか。
稀勢の里はまだ気力があります。
本人は限界を認めてはいません。
守るほどの美学もないでしょう。
土俵に踏みとどまり、最後まで綱をつとめ上げるのが意志。
↓これが稀勢の里本来のチカラでないことは明白!まだ判断する時期ではない!
本人に気力があるなら待つべき!
「もう待てない」となるのは今年の九州場所!
稀勢の里だけとりわけ厳しく当たるようなことはアンフェアです!
大相撲の世界にはなにひとつハッキリとした決まりはありませんが、それでも目安というものは一応存在します。たとえば大関昇進ならば直近3場所を33勝以上であるとか、横綱昇進であれば2場所連続優勝に準ずる成績であるとかです。それは「品格、力量抜群」のような具体的にどうしたらいいかわからない真の基準を、「たとえばこういうことやぞ」と数値に置き換えたもの。多少の疑いがあっても、その基準に乗ってきたなら「真の基準」を満たしたと考えようじゃないかというセーフティラインです。
今回は、過去の事例から僕が紐解く「たとえばこういうことやぞ」の基準をお伝えし、引退カウントダウンと噂される小横綱・稀勢の里の引退場所を見定めていきましょう。そして、「ファクト」に照らした物の見方を身につけることで、相撲取りでも横綱審議委員会でもない一般人の見識に流されないようにしていきましょう。もちろん誰が何を言おうと自由ですが、確たる「ファクト」のない「辞めろ」コールに従う必要はないのです。
↓世間はすぐに「辞めろ」と言いたがるけれど、それはそういう遊びです!
稀勢の里が2敗目 昨年から8連敗、横綱ワースト記録 https://t.co/0bCs9TW7Vb
- 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) 2019年1月14日
興味も関心も愛情もない相手に対しては「辞めろ!」とか「死ね!」とかすぐ言っちゃうんですよね!
弱い者の暇つぶしは、さらに弱い者を叩くことだから!
真剣じゃないんです、適当に言ってるだけで!
まず近年の横綱の引退について振り返っていきます。昇進の基準と同様に考えるならば、問われるのは直近数場所の成績となります。上がるときがそうなのですから、下がるときだけ「通算勝率がー」とか言うわけはありません。大関からの降格も「2場所連続負け越し」と決まっています。「何場所かつづけてキッツイ成績が出たら降格(引退)」と考えるのが適切でしょう。
また、昇進の基準がそうであるように降格についても「リセット」があります。よく「綱取りは継続している」とか言いますよね。あれは「まだリセットされてませんよ」の意味です。「準優勝⇒優勝(次場所は綱取り)⇒準優勝(次場所も綱取り継続)⇒惨敗(綱取り一旦リセット)⇒優勝(次場所は綱取り)」といった形で、一度高まった機運が数場所継続することもあれば、完全に途切れてゼロから再スタートとなることもあるわけです。
直近の成績がどれぐらい悪いのか。
「直近」の数え始めがどこなのか。
年6場所制となった1958年以降に引退した横綱全員について、晩年の成績を見ていくことで、そのラインを探っていきましょう。「デブが無様に転がっている」からと言って、その印象だけで引退を推し進めてしまうことがないように…!
↓1958年以降の横綱の引退すべてを記録し、まとめていきます!
●第44代横綱・栃錦
最後の優勝から引退場所まで:2場所
最後の10勝から引退場所まで:1場所
休場含む直近負け越し場所数:0場所
「衰えてから辞めるのは本意ではない」
●第45代横綱・若乃花(初代)
最後の優勝から引退場所まで:10場所
最後の10勝から引退場所まで:2場所
休場含む直近負け越し場所数:1場所
「体力の限界、番付上の最後の場所は出場せず」
●第46代横綱・朝潮(3代)
最後の優勝から引退場所まで:5場所
最後の10勝から引退場所まで:3場所
休場含む直近負け越し場所数:2場所
「脊椎分離症に苦しむ」
●第47代横綱・柏戸
最後の優勝から引退場所まで:12場所
最後の10勝から引退場所まで:3場所
休場含む直近負け越し場所数:0場所
「糖尿病、肝炎、腎炎、ケガ」
●第48代横綱・大鵬
最後の優勝から引退場所まで:2場所
最後の10勝から引退場所まで:1場所
休場含む直近負け越し場所数:0場所
「これを自身最後の相撲としたい」
●第49代横綱・栃ノ海
最後の優勝から引退場所まで:15場所
最後の10勝から引退場所まで:4場所
休場含む直近負け越し場所数:3場所
「筋断裂治らず、ハチナナ横綱」
●第50代横綱・佐田の山
最後の優勝から引退場所まで:2場所
最後の10勝から引退場所まで:1場所
休場含む直近負け越し場所数:0場所
「出羽海部屋伝統の引き際の潔さ」
●第51代横綱・玉の海
最後の優勝から引退場所まで:2場所
最後の10勝から引退場所まで:1場所
休場含む直近負け越し場所数:0場所
「引退の意向なくも、急死」
●第52代横綱・北の富士
最後の優勝から引退場所まで:8場所
最後の10勝から引退場所まで:4場所
休場含む直近負け越し場所数:3場所
「体力の限界、親友玉の海逝去による気力の限界」
●第53代横綱・琴櫻
最後の優勝から引退場所まで:6場所
最後の10勝から引退場所まで:4場所
休場含む直近負け越し場所数:1場所
「32歳2ヶ月でのスロー出世、在位8場所」
●第54代横綱・輪島
最後の優勝から引退場所まで:2場所
最後の10勝から引退場所まで:1場所
休場含む直近負け越し場所数:0場所
「引退し部屋継承、不祥事は直接の理由ではない」
●第55代横綱・北の湖
最後の優勝から引退場所まで:4場所
最後の10勝から引退場所まで:3場所
休場含む直近負け越し場所数:2場所
「応援されるようになったら終わり」
●第56代横綱・若乃花(2代)
最後の優勝から引退場所まで:5場所
最後の10勝から引退場所まで:3場所
休場含む直近負け越し場所数:1場所
「肝炎、痔」
●第57代横綱・三重ノ海
最後の優勝から引退場所まで:2場所
最後の10勝から引退場所まで:1場所
休場含む直近負け越し場所数:0場所
「年齢、体力の衰え、怪我、在位8場所」
●第58代横綱・千代の富士
最後の優勝から引退場所まで:3場所
最後の10勝から引退場所まで:3場所
休場含む直近負け越し場所数:2場所
「体力の限界、気力もなくなり」
●第59代横綱・隆の里
最後の優勝から引退場所まで:12場所
最後の10勝から引退場所まで:3場所
休場含む直近負け越し場所数:2場所
「もう相撲が取れません」
●第60代横綱・双羽黒
最後の優勝から引退場所まで:優勝せず
最後の10勝から引退場所まで:1場所
休場含む直近負け越し場所数:0場所
「ちゃんこが美味い・まずいの問題ではない」
●第61代横綱・北勝海
最後の優勝から引退場所まで:7場所
最後の10勝から引退場所まで:7場所
休場含む直近負け越し場所数:4場所
「ケガ回復せず、28歳の若さで」
●第62代横綱・大乃国
最後の優勝から引退場所まで:20場所
最後の10勝から引退場所まで:2場所
休場含む直近負け越し場所数:1場所
「明日につながらない相撲」
●第63代横綱・旭富士
最後の優勝から引退場所まで:4場所
最後の10勝から引退場所まで:4場所
休場含む直近負け越し場所数:3場所
「膵炎、気力の限界、在位9場所」
●第64代横綱・曙
最後の優勝から引退場所まで:1場所
最後の10勝から引退場所まで:1場所
休場含む直近負け越し場所数:0場所
「両ひざの怪我」
●第65代横綱・貴乃花
最後の優勝から引退場所まで:10場所
最後の10勝から引退場所まで:2場所
休場含む直近負け越し場所数:1場所
「心の底から納得しております」
●第66代横綱・若乃花(3代)
最後の優勝から引退場所まで:11場所
最後の10勝から引退場所まで:7場所
休場含む直近負け越し場所数:6場所
「大相撲力士にはなりたくなかった」
●第67代横綱・武蔵丸
最後の優勝から引退場所まで:7場所
最後の10勝から引退場所まで:7場所
休場含む直近負け越し場所数:6場所
「左手首痛回復せず、首の古傷で左肩動かず」
●第68代横綱・朝青龍
最後の優勝から引退場所まで:1場所
最後の10勝から引退場所まで:1場所
休場含む直近負け越し場所数:0場所
「一般男性(関東連合のリーダー)殴る」
●第70代横綱・日馬富士
最後の優勝から引退場所まで:1場所
最後の10勝から引退場所まで:1場所
休場含む直近負け越し場所数:0場所
「デンモクで貴ノ岩を殴る」
●第72代横綱・稀勢の里(参考数値)
最後の優勝から今場所まで:11場所
最後の10勝から今場所まで:2場所
休場含む直近負け越し場所数:1場所
過去の記録は如実に物語っている!
稀勢の里の引退はまだ時期尚早であると!
過去の記録からは、優勝する・しないという点はあまり問題とはされないことがわかります。第62代・大乃国は最大で20場所も優勝ナシで引退を迎えていますし、第60代・双羽黒はそもそも優勝せずに昇進し、優勝せずに引退しています。第48代・大鵬と同時期に横綱をつとめた第47代・柏戸や、第58代・千代の富士と同時期に横綱をつとめた第59代・隆の里のように「相手が強すぎる」というパターンもあります。その点で言えば、白鵬と同時期に横綱をつとめる稀勢の里は「何場所連続で優勝がない」という観点での引退はないでしょう。
横綱の責任が優勝争いにあるとすれば、ひとつの目安としては10勝が挙げられるでしょう。大関なら勝ち越せばヨシという部分もありますが、横綱がそれでは困るというのは理解できます。この点では第61代・北勝海と第66代・若乃花、第67代・武蔵丸が休場を含めて7場所連続で二桁勝利がない(見込めない)という状態で引退を決意しています。北勝海は9勝6敗での勝ち越しを挟んではいますが、それ以外はすべてが休場を含めた負け越しとなった場所。この三者からうかがうには、「丸一年ダメだった、そして進退をかけた7場所目でもダメだった」というのが自分も周囲も認めざるを得ない限界として浮かび上がってきます。
第65代・貴乃花が引退へと向かった際もひざの怪我の治療が1年に及び、7場所連続全休という史上ワーストの記録をマークしています。当初は「怪我が治るまでじっくり」という空気であった世間も、7場所連続全休は見過ごせなかった…つまり、このあたりがガマンの限界なのでしょう。そんな世間の圧力に抗い、強行出場で12勝3敗と気を吐いた貴乃花でしたが、怪我は一層悪化し翌々場所に引退を決めています。
つまり、「7場所連続ダメ」これこそが横綱が身を引かざるを得なくなる数値と言えるのではないでしょうか。
その点で言えば、稀勢の里はまだまだ大丈夫。平成二十九年五月場所から休場を含めて8場所連続での負け越しとなったあと、「この場所がダメならダメだろう」という平成三十年秋場所で10勝を挙げており、そこで一旦「進退問題」はリセットされています。現在問われている進退問題は平成三十年九州場所での初日から5連敗という体たらくに端を発した「新たな進退問題」です。
その限界ラインとなる7場所目は当年の九州場所。そこまでにしっかりとしたチカラを示し、進退問題を払拭すればいいのです。今場所での払拭はなかなか厳しいものがあるかもしれませんが、まだ十分に猶予はあります。そして、この期間に一度でも進退問題を払拭しておけば、東京五輪期間となる2020年の名古屋場所も見えてきます。五輪開会式での土俵入り披露、十分に狙えるラインと言ってもいいのではないでしょうか。
稀勢の里はまだ気力があります。
本人は限界を認めてはいません。
守るほどの美学もないでしょう。
土俵に踏みとどまり、最後まで綱をつとめ上げるのが意志。
力量抜群でないかどうかを周囲が決めるのは時期尚早!
最速でもあと5場所待ってからです!
↓これが稀勢の里本来のチカラでないことは明白!まだ判断する時期ではない!
本人に気力があるなら待つべき!
「もう待てない」となるのは今年の九州場所!
つまり、今の時点で引退云々は時期尚早!
稀勢の里だけとりわけ厳しく当たるようなことはアンフェアです!
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