アレンジ度も高い鯖。こちらは定番の鯖の味噌煮

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食を主要テーマにさまざまな調査・研究を行い、その成果や提言を広く発信するぐるなび総研は、今年の日本の世相を反映し、象徴する「食」を2018年「今年の一皿」として12月6日(木)に発表。2018年「今年の一皿」は「鯖」となった。

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ぐるなび総研 代表取締役社長 ぐるなび 代表取締役会長・創業者の滝久雄氏は、「『今年の一皿』は第5回目。これまで選ばれた食材では、その生産地の活性化にもつながっていると聞いており、大変嬉しく思っています。『今年の一皿』で、優れた日本の食文化を人々の共通の遺産として記録に残し、保護・継承すると共に、地方創生の一助になればとも思っています」と挨拶。

「鯖」の選出理由は、多くの災害に見舞われた今年、防災意識が高まり、缶詰に注目が集まったことなどから。鯖缶は、魚の下処理が不要で「利便性が高い」というところや、EPA・DHAなどの必須脂肪酸を多く含み「健康効果も期待できる」ところから、その価値が改めて広く認知された。

また、お洒落な缶や、原料にこだわった「プレミアム鯖缶」も増加。日本の魚食文化の価値も改めて認識され、文化を守り続けていく大切さも感じさせてくれた。

大日本水産会 会長の白須敏朗氏は、「これまでも水産大国・日本として胸を張っていたが、近年はトップの座は中国に譲っていた。また、いまや日本人は魚よりも肉を食べるようになっている。そんななか、いま、業界をあげて努力しているところで、鯖は救世主のような存在。漁獲量も伸びてきているし、“持続可能な漁業”を支える優等生でもある」と、鯖人気に感謝。

「EPA・DHAなども多く、健康志向の方にも人気。お店に出るとただちになくなってしまうほどで、ツナ缶を抜いてトップの座についた。全国各地にさまざまなブランド鯖も開発されており、お刺身やしめ鯖だけでなく、さまざまな鯖の製品が出て、スーパーの棚を飾っているので、ぜひ、ひと皿といわず、さらにさらに食べていただきたい」とジョークを交えて、鯖の魅力を伝えていた。

ちなみに今年は、最終的に、専門店に長蛇の列もできた「高級食パン」、レモンサワーのブームで注目が集まった「国産レモン」、四川省の花椒の魅力が広まった「しびれ料理」が、「鯖」と共にノミネートされていた。これは、ぐるなびのビッグデータから検索上昇率が高かったワードなどを選び、それをもとにぐるなび会員(1625万人)からアンケートを取り、メディア審査を経て、ノミネートワード、受賞ワードを選出し決定したものとなっている。(東京ウォーカー(全国版)・Raira)