きゅうりを食べるベストタイミングは?(写真:freeangle/PIXTA)

東京・南麻布にあるミシュラン2つ星の和食の名店「分とく山」総料理長である野粼洋光氏が考案したダイエット法「きゅうり食べるだけダイエット」が、ちまたで注目を集めている。
今は一年中、スーパーで手に入るきゅうり。前回記事で「なぜ、きゅうりでやせるのか」について紹介したが、今回は「きゅうりを食べるベストタイミング」について考察する。

食事の最初に、きゅうりを食べる

ダイエットに余念がない女性陣には常識となっている「野菜ファースト」というダイエット法をご存じでしょうか。

ずばり、野菜を先に食べるだけ!というこの方法。食事の量を減らすことなく、食べる順番を変えるだけでいいのです。手軽に始められるよい方法だと思います。

しかしながら野菜なら何でもいいかというとそうではなく、糖質を多く含むじゃがいもなどのいも類はNG。グリーンサラダはいいのですが、ポテトサラダはダイエットには不向きです。

「野菜ファースト」をお勧めする理由は、野菜に多く含まれる食物繊維が糖質、脂質、コレステロールの消化吸収を遅らせ、血糖値の急激な上昇を抑えるため、太りにくくなるからです。食物繊維の多い野菜が特にいいのです。

「きゅうりダイエット」はその究極版で、ダイエットに最適な食材であるきゅうりを、食事の最初に1〜2本食べるというものです。私はあまりにはまってしまって、1日10本食べたこともあります。おかげで腹が足り、ほかの料理を食べる欲求がなくなり、ラクにやせることができました。最初に、きゅうりをたくさん食べること!が大切です。

きゅうりがダイエットに最適な食材である理由は前回記事でもご紹介しましたが、改めておさらいしてみましょう。

・食物繊維を含む
・脂肪分解酵素ホスホリパーゼを多く含む
・低カロリーなので、たくさん食べても安心

また、きゅうりは野菜の中ではかたいほうなので、よくかんで食べる必要があります。よくかむと満腹感が早く得られるので、結果的に食べすぎを防ぐことにもつながります。

野菜を最初に、糖質を最後に

私がおすすめしているダイエットに最適な食べ方を紹介します。

1 まず、きゅうりをよくかんで食べる
2 ゆで野菜を取り入れる
3 具だくさんのみそ汁を加える
4 主菜は太らないおかずにする
5 最後に、ご飯を食べる

1 まず、きゅうりをよくかんで食べる

きゅうりを食事の最初に食べる理由は、前述したとおり。ただし、きゅうりには体を冷やす作用があるので、バランスを取るために副菜には「ゆで野菜」を取り入れましょう。

2 ゆで野菜を取り入れる

野菜は加熱するとカサが減り、量が多くとれて、満足感が得られます。生野菜だと油をたっぷり使ったドレッシングで食べたくなりますが、ゆで野菜ならしょうゆやぽん酢がよく合うので、カロリーも抑えられます。おすすめの食材はブロッコリー、小松菜、ほうれん草、かぶ、もやしなどです。

3 具だくさんのみそ汁を加える

次に食べるのが、具だくさんのみそ汁。野菜をたっぷり入れたみそ汁を食べると、満足感が得られ、食べすぎや早食いを防ぐことができます。

また、みそは日本が世界に誇る発酵食品で、みそに含まれるサポニンとコリンという成分には、脂肪を減らす働きがあり、整腸作用もあるのでダイエットの強い味方です。

もやし、大根、玉ねぎ、にんじん、キャベツ、ごぼう、長ねぎ、きのこ類、海藻類、豆腐、油揚げなどを3種類ほど組み合わせて、たっぷり食べるようにします。1食あたりの1人分の目安は、だし汁250mlに野菜150gです。

4 主菜は太らないおかずにする

ダイエット中は、たんぱく質が不可欠です。不足すると筋肉量が減少して基礎代謝が低下し、太りやすい体質を作る原因になります。

油&脂は使わずに、ヘルシーな調理法で動物性たんぱく質と植物性たんぱく質をバランスよく取り入れ、さらに野菜でカサ増しした太らないおかずについては、拙書『きゅうり食べるだけダイエット』でたくさん紹介していますので、参考にしてみてください。

5 最後に、ご飯を食べる

糖質オフが人気ですが、適量のご飯を食べることは健康のためには欠かせません。目安は茶碗軽く1膳程度。

きゅうり、ゆで野菜、具だくさんみそ汁、野菜でカサ増しした太らないおかず、と順番どおり食べていれば、どんぶり山盛りのご飯を食べたいとは思わないはずです。

私が提案する、体重が無理なくダウンする野菜中心の食事「やせメシ献立」は、下記のようなイメージです。

右上:きゅうりのおかかあえ
左上:豚肉としめじ、小松菜のノンオイル炒め
右下:玉ねぎ、セロリとトマトのみそ汁
左下:ご飯

やせたいなら、食べなさい

私は「やせたいなら、食べなさい」と常日ごろから言っています。もちろん食べるのは、野菜ファーストで。

野菜中心のヘルシーな食材を選び、油をなるべく使わないように調理法を工夫し、満足感と満腹感を味わって食べれば、飢餓感なく、無理なくダイエットが続けられます。


最後に、メタボ男性にぜひお伝えしたいダイエットの心得を3つ。

心得1 食べることに集中する

漫然と食べずに、食に対する意識を持つこと。そして、だらだら食べないで、食べるときはよく味わって、集中すること。テレビをみながら、ゲームをしながら食べるのは、もってのほかです。

心得2 忙しくする

何かに打ち込んでいるときは、関心が食欲に向きません。ヒマな時間が多いほど食べてしまうので、仕事などで忙しくしましょう。

心得3 付き合いをやめる

会社帰りにビールを1杯……誰かと一緒だと、つい羽目をはずして食べたり飲んだりしがちなので、友達付き合いは最低限に抑えることです。