「単純に放り込まれてしまうと苦しいが…」“小さな3バック”の1人DF山根視来、178cmで湘南を守るための工夫は?《ルヴァンカップ》

写真拡大 (全2枚)

湘南ベルマーレは27日、埼玉スタジアム2002で行われた2018JリーグYBCルヴァンカップ決勝で横浜F・マリノスに1-0で勝利。大会初優勝を飾った湘南が1994年に天皇杯を制した以来のメジャータイトルを獲得した。

試合後、横浜FMの強力攻撃陣封殺に貢献した一人のDF山根視来がミックスゾーンで取材に応対し、守備への手応えを示した。178cmとセンターバックにしては小柄ながら役割を全うするその工夫について明かしている。

◆DF山根視来(湘南ベルマーレ)
(C)CWS Brains,LTD.
──最近「無失点で終わりたかった」と話すことがあった中で、最高の舞台で完封したが

「最後に失点するということが少し続いていました。ただ、今日は本当に(秋元)陽太さん中心に後ろ3枚と全員で体を張ることができました。本当に陽太さんがかろうじて止めてくれたというようなシーンもなかったと思います。今日は自信を持って跳ね返し続けられたかなと思います」

──横浜F・マリノスハどうだったか

「マリノスさんは後ろから回してきて、サイドからニアに速いクロスというイメージがありました。前半はほぼパーフェクトだったと思います。ピンチもなく、押し込まれもせず、僕らのリズムでできました。今日は前半が全てだったと思います」

──後半最後に持ち上がる見事なドリブルがあったが

「点を取りたかったです。ただ、いつもならあそこは大きく蹴ってクリアしていたと思います。最近僕らは奪ったボールをしっかりとつなぐ、それができないと優勝できないぞ、もう一つ上にいくにはああいうボールを大事にしていかなきゃというところがありました。しっかりと大事にしました」

「あとはみんなが疲れていた中、相手も前がかりになっていました。走ったら裏にボールが出てくるかなと思っていました。ロスタイムだったので、時間を使う意味も含めて、前にいきました。本当はシュート打ちたかったですけど、うまく止まらなかったので、その後は判断を切り替えました」

「山くん(山粼凌吾)にもサイドで時間を稼いでくれというボールを出しましたけど、倒れながら意図的にサイドにパスを送れたので、あれでゲームが締まったかなと思います」

──3バックの選手があの時間帯であの位置までいくことはなかなかないが

「やはりワイドの選手やシャドーの選手が90分間相手を追ってくれていました。僕ら後ろの3枚はスタミナが残っていたので、助けてあげたいという気持ちで前に出ました」

──者貴裁監督が会見で「小さな3バックでも工夫をしてよくやってくれている」と言っていたが、自分なりに工夫していることは

「単純にゴール前に放り込まれてしまうと苦しいところがあります。なので、こまめにラインを上げるというところは徹底していました。スピードには僕らは自信があります。裏に抜けられてもしっかりとついていって、前に体を入れてっていうことができる3人です。そういうところで勝負しています」

「それでも押し込まれてペナ内で守らなきゃいけないことはありますけど、CKの練習では死ぬ気でマークにつく練習をいつもしています。自由にさえさせなければ、でかいFWにも点を取られないということは僕らも思っていることです。日々の積み重ねと3人の信頼関係があるので、自信持ってやっていきたいです」

──元々センターバックの選手ではないが、楽しめているか

「そうですね。楽しくやっています」

──リーグ戦の後期も前半押し込むも点が取れず、後半に奪われてしまうという課題があったが、それを今日は先制して守りきった。どういうところに成長を感じるか

「良い形を作るには点が入らないといけません。今日も何シーンかありました。それでも前半はみんながハマってて、相手も嫌がっているというのを分かってやっていました。(杉岡)大暉のスーパーゴールだったが、点が入った瞬間に『もらったかな』と思いました」