中国メディアは、もし、中国でも日本と同じような厳しい法律が施行されれば「中国人の民度は高くなるだろう」と分析している。(イメージ写真提供:123RF)

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 近年、日本を旅行で訪れる中国人が増加しているのは周知のとおりだ。日本を訪れた中国人は、日本人が法律や規則を守って生活していることに驚き、「日本人は民度が高い」と感じるようだ。中国メディアの今日頭条は20日、「日本の法律を調べれば、日本人が法律を守っている理由が良く分かる」と論じる記事を掲載し、「日本の法律」と「日本人の民度」との関係性について分析している。

 記事はまず、日本では多くの人が文句を言わずに列に並んでいる姿を見かけるが、これは日本の「軽犯罪法第1条13号」で「割り込み」や列を乱す行為が禁止されており、罰金や拘留の対象になるためだと紹介。

 中国では公共の場で痰を吐いたり、子どもに大小便をさせる親が見られるが、日本では「軽犯罪法第1条26号」で、「街路または公園そのほか人々が集合する場所で、タンやツバを吐き、または、大小便をし、もしくは、これをさせた者」を罰則対象として定めていることを紹介し、これがあるから日本人は公衆の面前で痰を吐かないのだと主張した。

 他にも記事は、自治体によって定められている「ゴミ捨て」に関する規則に違反した場合や、中国でも社会問題となっている「飲酒運転」などについても厳しい罰則があることを紹介。結論として、もし、中国でも日本と同じような厳しい法律が施行されれば「中国人の民度は高くなるだろう」と分析している。

 記事の主張を裏返せば、日本には厳しい法律と罰則があるゆえ、日本人は法律を守っているという主張になるが、果してそうなのだろうか。中国にも厳しい法律や規則はあるが、律儀に守って生活している人は非常に少ない。それを考えれば、法律や規則の有無は民度には関係なく、法律や規則に対する遵守意識の差こそ民度の違いを生むと言えるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)