複数の有名市販薬に新・副作用が見つかっている

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 新しい薬が開発・発売された時点では「その薬のすべての副作用がわかっているわけではない」ということをご存じだろうか。

 製薬会社が新薬を開発するまでには長い時間と費用がかかる。一般に、新しい薬が発売されるまでには、10〜15年の時間がかかり、数千億円が投じられるとされる。動物実験や臨床試験など、さまざまな治験を経て、ようやく発売に至るわけだが、同時に、途中で開発が中止されるケースも多く、新薬として製品化される確率は、わずか3分の1しかないそうだ。

 それほどまでに慎重なプロセスを経て、ようやく製品になって使用されることになる医薬品だが、実は発売されてから、多くの人が使用する中で新しく発見される副作用も少なくない。しかも、その中には脳梗塞や肝不全、呼吸困難など命にかかわるものも含まれるというから恐ろしい。

 発売後に見つかった副作用は、いったいどのように周知されるのだろうか。その場合、製薬会社や医師などが厚労省所管のPMDA(独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」)に報告する義務が課されており、最終的には、厚労省が製薬会社に「医薬品添付文書」の改訂を指示することになっている。

 とはいえ、すでに流通してしまっている商品には添付文書の改訂は間に合わない。そのためPMDAは、新たに発見された副作用についてウェブページ上で公開しているが、なかなか一般の患者の目に留まることはない。

 本誌・女性セブンでは、PMDAがこの3年以内に「新・副作用」を発表した薬品を選定。医師の処方箋が必要な処方薬は国内売上高上位100位以内の薬品(2016年度決算・日刊薬業調べ)から、市販薬は2018年3月期の売上が15位以内の大手製薬会社の製品などからリストアップした。

◆あの有名薬も…

 街のドラッグストアで気軽に買える市販薬について見てみよう。市販薬は、そのリスクの大きさにより、いくつかに分類されている。リストに掲載した『ロキソニンSテープ』のような、薬剤師による対面販売でしか購入できない「要指導医薬品」のほか、「一般用医薬品」という区分けがある。一般用医薬品にはさらに、薬剤師のみが販売できる第1類医薬品、登録販売者でも販売可能な第2類医薬品、第3類医薬品がある。これら一般用医薬品は、いずれもネット通販が許されている。

 医薬情報研究所を運営するエス・アイ・シー取締役で、薬剤師の堀美智子さんが話す。

「ほとんどの薬局はPMDAに登録しているほか、メーカーからも情報が入るので、新たに発見された副作用について把握しています。しかし、一般用医薬品の場合、製品に同梱された説明書である『添付文書』を読まない人も多く、どんな副作用の可能性があるかを知らないまま使用している場合も多いはずです」

 市販薬の場合、添付文書の「相談すること」という項目に、すでに確認されている副作用の情報が記載される。

 痛み止めとして手放せないという人も多い『ロキソニンS』も、新たな副作用が報告されている薬の1つ。

「ロキソニンSなどのロキソプロフェンを含む商品には2016年3月に『小腸・大腸の狭窄・閉塞(吐き気・嘔吐、腹痛、腹部膨満等があらわれる)』という項目が追加されました。腸が詰まってしまうもので、放置すると死に至ることもあります。添付文書を読むことの大切さを知ってほしい」(前出・堀さん)

 風邪薬として有名な『パブロンゴールドA』も2017年7月、「呼吸抑制」という新たな副作用が追加された。息切れや息苦しさを感じるというもので、同じ成分を含む『新ルルA』、『ベンザブロックL』、『アネトンせき止め液』といった有名薬も同様に改訂情報が発表されている。

 1953年発売という長い歴史を持ち、ひび、あかぎれなどに使われる『オロナインH軟膏』も新たな副作用が見つかり、2017年10月に「ショック(アナフィラキシー)」という副作用が追加された。体に発疹が出たり、口や手足のしびれ、呼吸困難などが現れ、死に至ることもあるというから注意が必要だ。同様に、『プリザS軟膏』、『シオノギD軟膏』にも同じ副作用が追加されている。

※女性セブン2018年9月13日号