スマホは7.26インチまで大きくなる? 約7インチhonor Note 10登場でわかった大型でも使いやすくなる秘密

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スマホのディスプレイは年々大型化してきた。
6インチ台も登場し、そろそろ限界だろうと思われていた。

しかし、ファーウェイが海外で7月に発売した最新モデルはついに約7インチの大きさまでに達したのだ。これはもはや中型のタブレットと変わらぬ大きさだ。

一体、スマホの画面はこれからどこまで大きくなるのだろう?

ファーウェイのサブブランド、オナー(honor)の最新モデル「honor Note 10」が7月末に発売された。
最大の特徴は、6.95インチと、約7インチの大型のディスプレイを搭載しているのだ。

スマホの画面サイズは一般的に5インチ後半が多い。
さらに6インチをちょっと超えた大型モデルもある。

しかしhonor Note 10は、それらよりもはるかに大きい画面のスマホなのである。


約7インチの大型ディスプレイを搭載したhonor Note 10


そもそも7インチ画面という大きさは中型タブレットが採用している大きさだ。
つまりhonor Note 10はタブレットと同じ大きさの画面を搭載しながらも「スマホ」なのだ。

7インチのタブレットは片手で持つのはちょっと難しいし、耳に当てて通話するにはあまりにも大きすぎる。

しかし約7インチのhonor Note 10は、タブレットなみの画面サイズながら、片手持ちもできるのだ
それはディスプレイの縦横比を変更し、縦に伸ばした形状にしているからである。

「インチ」「型」という表記は、スマホやタブレット、ノートPC、TVなどで採用されている。
この「インチ」「型」表記は、ディスプレイの対角線の長さを表している。

例えば7インチの画面サイズの場合、
・画面の「縦」「横」の長さが7インチなのではない
・画面の「対角線」が7インチなのである。

一般的なスマホやタブレットの画面縦横比は16:9だ。
これに対してhonor Note 10の縦横比は、18.5:9となっている。
つまり普通のスマホよりもさらに縦に長くなっているのだ。
つまり横幅が狭いのだ。

対角線が同じ7インチでも、
・honor Note 10の18.5:9のディスプレイ
・既存スマホの16:9のディスプレイ
この2つでは、横幅に大きな差があるのだ。

さらにhonor Note 10は、左右のディスプレイの縁取り、いわゆる「ベゼル」の幅を極限まで薄くしている。
一方、一般的なタブレットはディスプレイの周りのベゼル幅は大きい。

この違いが、
・約7インチのhonor Note 10は片手で持って操作ができる
・7インチのタブレットは片手で持って操作できない。
という違いを生み出しているのである。

honor Note 10が出る前にも、大画面のスマホはいくつかあった。代表的なモデルはこの2つだろう。
・ソニー:Xperia Z Ultra(6.44インチ)
・ASUS:Asus ZenFone 3 Ultra(6.8インチ)


6.8インチのZenFone 3 Ultraは片手持ちが厳しいサイズだ


しかしどちらもhonor Note 10より画面サイズは小さいながら片手で持つのがやっと、という使い勝手だった。
これはディスプレイの縦横比が16:9のためだ。
6インチ後半で横比が16:9となると、横幅はどちらも90ミリを超えてしまう。
昨年まで6インチを超えるスマホがほとんど登場しなかったのは、画面サイズで6インチを超えると片手持ちできない大きさになってしまうからである。

一方、honor Note 10が採用している18.5:9画面のスマホでは、6インチを超えるモデルが次々と登場している。
日本でも発売中の
・Galaxy S9+は6.2インチ
・Galaxy Note8は6.3インチ
これらも6インチを越えているが、片手でも楽に持てる。

つまり6インチを超える大型スマホには、18.5:9ディスプレイ採用が必須条件となっているのだ。

実際に
・16:9のXpaeria Z Ultra、Asus Zenfone 3 Ultra
・18.5:9のhonor Note 10
この2つ横幅を比べてみれば、一目瞭然だ。
・honor Note 10は7インチ弱の大きさながら、ほかの2モデルより7ミリ以上もスリムなことがわかる。
・Xperia Z Ultra:92.2ミリ
・Asus Zenfone 3 Ultra:93.9ミリ
・honor Note 10:85.0ミリ

honor Note 10やGalaxy S9+のような縦長ディスプレイを搭載したスマホは2017年後半から急増した。そして2018年の新製品のほとんどが同様の縦長ディスプレイ製品になっている。今ではスマホの画面比率は、
・18:9
・18.5:9
・19:9
・19.5:9
と、どんどん縦サイズが長くなっているのだ。
2018年夏モデルとして登場したソニーのXperia XZ2 Premiumが、ずんぐりした形状に見えるのは16:9という従来型の縦横のディスプレイを採用しているからだ。

ではディスプレイサイズはどこまで大きくなるのだろう?

たとえばOPPOが海外で発売しているFIND Xは、
・縦横比が19.5:9
・6.42インチディスプレイ
・横幅は74.2ミリ
これは従来の5インチスマホの横幅と同等のスリムさだ。
これからわかるのは、さらに大きい画面サイズにしても片手で持つことができるということだ。


スマホの画面はどんどん縦に長くなる。OPPO FIND Xは19.5:9のディスプレイを搭載


では、単純にhonor Note 10と同じ、横幅85ミリのスマホに19.5:9のディスプレイを搭載すしたら、画面サイズはどこまで大きくできるのか?

計算してみると、約7.26インチとなった。
つまり、より縦長のディスプレイなら、7インチを超えるスマホも実現できるということになる。

とはいえ、そこまで大きいなスマホには強度という問題も出てくる。
縦に長くなればなるほど、曲げに対しての力が加わりやすい。
例えば、おしりのポケットに入れて椅子に座った瞬間にスマホが折れてしまう可能性もある。

とはいえ、今後の画面サイズが縦方向に伸びていくことは規定の事実だ。
現在は19:9が最長だが、いずれは20:9や、映画館のスクリーンサイズ、いわゆるシネマサイズの21:9といった長さのディスプレイを搭載するスマアホも出てくるかもしれない。

ただそうなれば、今の操作性では使い勝手は悪くなる。
音声コマンドなど、スマホの操作にも大きな変化が生まれてくるだろう。
また、パソコンのように、ディスプレイで同時に2つ以上の画面が表示されるようになるのかもしれない。

・「SNSのタイムライン」と「YouTube動画」を常に同時に見ながら使う
・SNSでチャットしながら、店や地図を見て音声ナビで待ち合わせ場所に行く
といったことも当たり前になっているかもしれない。

今後は、スマホの画面サイズが変化にあわせて、スマホの使い方も大きく進化していくだろう。


山根康宏