4周年のワイモバイルが狙うは60歳以上のシニア層! 高齢者を獲得するための施策とは

写真拡大 (全4枚)

「Y!mobile(ワイモバイル)」ブランドは、かつての「イー・モバイル」「ウィルコム」の合併や経営統合などを経て2018年8月1日で4年が経過した。

5年目を迎える今年、ソフトバンクのワイモバイルブランドは次の一手を発表した。

発表会で登壇したソフトバンク常務執行役員 Y!mobile事業推進本部 本部長の寺尾洋幸氏は、この4年間を振り返りながら、
・格安スマホ利用者シェア 2年連続No.1 
※MMD研究所「2018年3月格安SIMサービスの利用者動向/メイン利用通信事業者」を基に同社が作成
・スマートフォン顧客満足度 2年連続No.1 
※2017年度サービス産業生産性協議会 JCSI(日本版顧客満足度指数)調べ
この2つの成果をアピールした。


寺尾氏


一方で、現在を「道半ば」と表現し、新たに
・料金
・サービス
・プロダクト
の3点について、今後の戦略を発表した。

その中で寺尾氏は、総務省「2017年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」において、60歳以上のスマートフォン(スマホ)所有率が45%に留まっていることに触れた。

60歳以上のいわゆるシニア世代の所有率が45%に留まっている理由について、
「スマホは難しい」
という認識が大きいと語る。

また、同社における「年代別 コールセンター入電率」を見ても、
年代が上がるごとに問い合わせは増しており、60代以上がもっとも多いとのこと。

こうした背景から、ワイモバイル向けに京セラ製「かんたんスマホ」を開発したことを発表した。


京セラ製のかんたんスマホ


「誰にでも使えるスマホを」
「誰にでも使いやすいスマホを」
というスローガンを掲げる「かんたんスマホ」には、様々な工夫が施されている。

主な特徴は
・見やすいホーム画面
・見やすい文字の大きさ
・聞き取りやすい通話機能の搭載
・防水性能(IPX5/IPX7)および防塵性能(IP5X)
・耐衝撃(MIL規格準拠)
・赤外線対応
・ワンセグ対応
・4件までの短縮ダイヤル設定に対応
・電話/ホーム/メールの専用ボタン搭載
といった点だ。

さらに、操作に迷ったときにサポートしてくれる「押すだけサポート」機能も搭載した。
ホーム画面中央にある、押すだけサポートのアイコンをタップすると
・スマホが自己解決
・専用窓口に電話をかける
ことが可能なのだ。

かんたんスマホには取り扱い説明書を同梱するほか、購入者特典としてガイドブック「はじめてガイド」のプレゼントもあるという。

徹底的にシニア層向けに特化したスマホだが、対策は機種だけではない。
プランにおいても、登録時の使用者年齢が60歳以上という条件で、国内通話料(国際ローミング、国際電話など一部の対象外通話を除いて)が無料になるというのだ。


60歳以上は国内通話が無料に


これは、オプションサービス「スーパーだれとでも定額」の月額料1,000〜1,500円が無料になるということだが、これまでスマホを使ってこなかったシニア世代向けとしては、通話料金を無条件でずっと無料にするということは、かなり思い切った選択なのではないだろうか。

・シニアに特化したスマホ
・シニアに特化した通話無料サービス
ワイモバイルは2つの施策により、シニア層の新規獲得を狙いにいく構えだ。

なお、寺尾氏によると、ワイモバイルブランドにおける60歳以上の利用者数は、現状では全体の2割弱とのこと。
ワイモバイルの今後の伸びしろや成長にとって、シニア層への訴求は、大きな課題となっているようだ。




撮影・執筆:2106bpm