関東甲信地方では記録の残っている1951年以来初めて、6月中に梅雨が明け、夏本番が到来した。例年、直射日光・紫外線や肌に刺さるような暑さを和らげようと行う対策は人それぞれだろう。サングラス、日焼け止め、帽子、そして日傘......。

女性であればいずれもマストアイテムと言えようが、男性の場合、一般的にはさほど気を遣わない。特に、日傘を差す男性を街中で見かけることは少ないだろう。

筆者(20代男性)は大学生の頃、夏の1日だけ日傘を使うも、断念した経験がある。使ったのは、銀色の折りたたみ傘タイプ。使い始めた当初は涼しく感じたが、次第に周りの目線が気になり、差すのをやめた。

そんななか、埼玉県環境部温暖対策課埼玉ナビゲーション担当では、「日傘男子広め隊」という取り組みを2017年に始めた。どのような活動をしているのか、Jタウンネットは18年7月上旬、聞いてみた。

「『これだけ日傘男子がいる』ということを見てもらいたい」


日傘男子広め隊の様子(埼玉県環境部温暖対策課提供)

日傘男子広め隊は、日傘に馴染みが薄い男性が使うことを広めようと、同課の男性職員が通勤、出張、昼休みの時間帯に日傘を使う活動だ。

「日傘を使うと、直射日光をブロックできたり、体感温度を下げられるなど、暑さ対策になります。ですが、一般的には男性が差しやすい環境にはなっておらず、こちらの課から男性が差しやすい環境を作ろうと始めました」(担当者)

初年度は、17年7月から9月までの暑い時期限定で、20〜50代の男性20人が活動に参加。18年度の活動は、今月中に始まる予定だという。

実際に職員も日傘で涼しさを実感していたようで、一般の人にも知ってもらおうとする活動も行った。県が行うイベントで、日傘を差す体験会を3回開催。いずれも、参加者から「日傘を差して涼しさを実感した」、「今後、日傘を使ってみたい」と好評だったという。

活動を始めた理由は、「埼玉県では熱中症で病院に運ばれる方が多く、なんとかできないかと考えていたところ、直射日光を遮断し体感温度を下げられる日傘を広めていこうとなりました」(上記担当者)。

今年の活動としては、体験会に加え、「日傘ツイッター」も開設予定。「日傘男子」という言葉がより広まるよう、体験会の情報をはじめ、熱心に日傘を使用しているツイートをリツイートし、「いろんな人が繋がってもらい、ネット上で『これだけ日傘男子がいる』ということを見てもらいたいですね」と期待する。

筆者も改めて「日傘男子」になってみようかな......。