86歳男性が空き巣に頼まれたこととは…(画像は『Metro 2018年4月27日付「Pensioner offers burglar a lift home after catching him in the act」(Picture: Cascade)』のスクリーンショット)

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先日、英ロンドンで高齢者宅に侵入した強盗犯が返り討ちにされた事件をお伝えしたが、このほどスコットランドで86歳の男性が自宅に侵入した空き巣犯と鉢合わせ状態になってしまった。幸いにも男性は無事であったが、犯人が逃走する前にある頼みごとをされたという。英メディア『BBC News』『Metro』などが伝えている。

英スコットランドのパースに暮らすハリー・ターナーさん(86歳)は4月17日の夜6時20分頃、近所のパブで友人と食事をするために車で向かった。しかし新聞を家に置いてきたことに気付き、ハリーさんは再び家に引き返した。そして玄関のドアを開けて異変を感じ取った。

イングランドのウスターシャー州出身のハリーさんは、パース・アンド・キンロスのエロール出身だった今は亡き妻と17年前にパースに引っ越してきた。17年間、ハリーさんはこの地域に治安の悪さを感じたことがなかったため、これまで自宅に鍵をかけず外出していたそうだ。この日も施錠せずに出かけたのだが、ハリーさんは家の中の異変を感じただけでなく裏手のドアが開いていることにも気付いた。

ハリーさんが寝室へと続く廊下を進んでいくと、寝室のそばに20代半ばとみられる男が立っており、キャビネットの一番上の引き出しを開けて物色し複数のブリーフケースも開けていた。突然の侵入者を前にして驚いたハリーさんは、当時の心境をこのように話している。

「あっという間の出来事で、本当にどうしていいかわからなかったよ。若い男を相手に立ち向かっていくには自分は年を取り過ぎていて、打ち負かすことなど到底無理だ。だから合理的にいくしかないと思ったんだ。男に『何をしているのか。何が目的なんだ』と尋ねたら、男は『何も盗んでいない』と言ってきたんだ。」

男はハリーさんに小さな黒のバッグを見せ何も盗んでいないことを証明し、攻撃的な態度を取ることは一切なかった。そしてハリーさんは男を促して家の外へ出て「何か私にできることはないか」と尋ねると、「ノース・ミュアトンまで車で乗せて行ってもらえないか」とリクエストされたという。驚くことにハリーさんは、その男を目的地まで送ってあげようと思ったそうだ。しかし家を空ける前に施錠するため表の玄関に向かい、車を停めていた裏手に回ってくると男の姿は消えていた。ハリーさんは家の中で何も盗まれていないことを確認し、警察へと通報した。未遂の空き巣犯に対して怒りや不快感がない様子のハリーさんは、後にこのように語った。

「パブに行くのに新聞を忘れたことで、一旦戻って来て良かったよ。ちょうどラップトップが修理から戻って来たところだったし。ああいう類のものは間違いなく盗まれていただろうから。20代半ばの男が、こんなふうに他人の家に盗みに入らなきゃならないような人生を送るなんてとても残念なことだね。思わず同情してしまうよ。それにしても、今度から外出時には施錠することにするよ。これまでも多くの友人から『鍵をきちんとかけなきゃダメだよ』と注意されていたからね。」

この件は今も警察の捜査が続いているが、スポークスマンは「外出時には必ず施錠し、家の安全を守るよう心掛けて頂きたい」と述べている。

画像は『Metro 2018年4月27日付「Pensioner offers burglar a lift home after catching him in the act」(Picture: Cascade)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)