電子たばこが嫌煙社会を実現する? 大きく変化をしている禁煙グッズと禁煙チャレンジ

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東京都は1日、「東京都子どもを受動喫煙から守る条例(条例第73号)」を施行した。
本条例は、罰則が設定されていないが、子どもに受動喫煙をさせないよう努めるなど、都民の責務に関する規定を設けている。

また翌日となる2日、東京都は全職員を対象に休憩時間も含め、庁舎内を禁煙とする取り組みを始めたという。

このほか、2020年に開催予定の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、罰則を設けた受動喫煙防止条例の制定を目指す動きもあるなど、禁煙化の動きが強くなってきた。


喫煙者の多くは、1度くらいは禁煙を考えたことがあるだろう。
しかし、実際は「たばこ」はやめられないかも?という不安が喫煙者にあるのも事実だろう。

現在、禁煙を取り巻く環境は間違いなく変化してきている。「禁煙するために“たばこ”を吸う」という時代が訪れているかもしれない。

■禁煙は中毒症状とのたたかいなのか
禁煙ができない最大の理由は、いわゆる「ニコチン中毒」だ。

禁煙は、ただの生活習慣の変更ではなく、「治療」と考えた方が正しいのかもしれない。
禁煙が「治療」であるとすれば、治療行為や治療薬が必要だと考えるのが普通だ。

しかし、そうした治療も薬を利用しなくても、禁煙できている人もいる。

禁煙を成功させるには、中毒症状を徐々に弱くしていくことが必要となる。
意志だけで喫煙を減らして中毒性を下げることは難しい。
多くの人が禁煙できないと思うのもうなずける。

そこで自力で禁煙を行うために、「禁煙関連グッズ」を活用することがある。
禁煙関連グッズには、
・「ニコチンガム」
・「禁煙パイプ」
といったサポートグッズがある。
これらのグッズは中毒症状を緩和する効果がある。
禁煙グッズを使うことで、禁煙できる場合もあるが、残念ながら禁煙に失敗することもある。

以前であれば、「ニコチンガム」や「禁煙パイプ」で禁煙できなった場合、
「自分は禁煙できない」
と、禁煙を断念する人も多かった。

しかし、現在では、新しい禁煙関連グッズが登場し、状況も環境も大きく変化しているのだ。


■ニコチンやタールを含まない「電子たばこ」での禁煙
現在の電子たばこの市場では、
・タールを含まない「加熱式たばこ」
・タールおよびニコチンを含まない「フレーバー」
といった製品がある。
こうした製品は、ある意味「禁煙パイプ」の進化版とも言えるだろう。

現在、「加熱式たばこ」には、
・米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)の「iQOS(アイコス)」
・英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の「glo(グロー)」
・日本たばこ産業(JT)の「Ploom TECH(プルーム・テック)」
といった製品がある。

一方、電子たばこ型の「フレーバー」は、
・「ニコチン0、タール0」
・ビタミン系リキッド
などの製品がある。

現時点で厚生労働省の認可を必要としないということもあり、海外製・国内製を問わずさまざまなブランドの製品が販売されている。


ニコチンを含む「加熱式たばこ」においても、従来の紙巻たばこに比べると副流煙や臭いといった問題点を大きく低減させている。
このため、禁煙を成功させるための中毒性を軽減させる第一歩になる、と言えるだろう。

さらに、「フレーバー」製品は、吸い込む動作は電子たばこと同じだが、ニコチンやタールを吸引することはないため、実質たばことは言えない製品だ。
「フレーバー」が、たばこの代用になるのであれば、事実上、禁煙は成功したと言える。

こうした電子たばこの存在は、禁煙への意識の高さによって生まれ、普及していく製品とも言える。

禁煙を考えたときに、従来の紙巻きたばこを、電子たばこに変えるのは、禁煙を成功させる方法としても自然なことだろう。


■禁煙サポートアプリ
電子たばこのような代替え品を使う意外にも、禁煙をサポートする方法はある。

スマートフォンやタブレット向けに、禁煙をサポートするアプリは、多く存在している。
「禁煙」というワードでアプリを検索するとさまざまなアプリがヒットする。

今回はiOS向けとAndroid向けの禁煙サポートアプリをひとつずつ紹介する。

●iPhone向けアプリ「SWAN 卒煙」(Rigato, inc.)
「禁煙」ではなく、「卒煙(そつえん)」という考え方。
はじめに「アドバイス」内の「卒煙の前に知ってほしいこと」を読んだ後、「1日に吸っていた本数」「1箱の値段」「1箱の本数」を入力する。

その後は、ステータスで「成果」や「身体の変化」を確認できる。
また、「気が緩みそうなときに」などのアドバイスも読むことができる。


アドバイス画面(左)、設定入力画面(中央)、ステータス画面(右)



●Android向けアプリ「禁煙アシスタント」(despDev)
「禁煙アシスタント」は、最初に「1日の喫煙本数」「1箱に入っている本数」「1箱の価格」を入力してスタートする。その後は「進行状況」や「健康」といった項目でステータスを確認できる。
そのほか、「吸わなかった本数」や「禁煙継続期間」などの項目で称号を獲得できる「トロフィー」機能や、吸いたくなったときに気を紛らわせるためのミニゲームも搭載している。


トロフィー画面(左)、進行状況画面(中央)、ゲーム画面(右)


こうしたサポートツールを利用することで、誰もが気軽に禁煙にチャレンジできる環境になってきているのは間違いないだろう。

「SWAN 卒煙」アプリのリンクURL
「禁煙アシスタント」アプリのリンクURL


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