本田圭佑【写真:Getty Images】

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半年ぶり先発もインパクト残せなかった本田、英メディアは「恐れる存在ではない」と厳しく評価

 サッカーロシアW杯を3か月後に控え、日本代表はベルギーでの親善試合2試合を終えた。メンバー選考前の最後の実戦だったが、マリとは1-1でドロー、ウクライナには1-2で敗れるなど低調な内容だった。ウクライナ戦ではFW本田圭佑(パチューカ)が昨年9月以来、久しぶりに先発出場。しかし大きな印象を残せないまま後半途中でピッチを退いた。実績十分の本田への期待はなお根強いものがあるが、海外メディアは「ケイスケ・ホンダは恐れる存在ではない」とし、新たなキーマンになるべく2人の選手の名前を挙げている。

 英スポーツ専門メディア「REAL SPORT」は日本代表の特集記事を掲載している。そしてかなりのスペースを割いて伝えているのが本田の現状だった。

「日本のスターは、過去2大会で印象的な活躍を披露してきた。しかし、皆がそのポテンシャルを期待していた通りにはいかなかった。鳴り物入りでACミランに加入したものの、3年半の期間で合計11ゴールに留まり、失意の時間となった。現在はメキシコリーグでプレーしており、安定感ある活躍を披露している。メキシコリーグも充分強いレベルにある。しかし、欧州最大のリーグの1つからのステップダウンであることに疑いの余地はない」

 記事では、こう本田の現状を伝えている。2010、14年のW杯ではエースとして活躍。名門・ACミランでも10番を背負ったが、期待されたほどの結果は残せず、昨年7月にはメキシコのパチューカへ移籍。キャリアダウンは否めないとしている。

「ホンダはウクライナの守備陣にかき消されてしまっていた。大いに自信を欠いているようだった。交代した際も、沈黙し、元気のない姿を見せていた。南アフリカやブラジルの大会の時のような、人目を引くオーラは、影を潜めている」

 そしてインパクトを残せなかったウクライナ戦のパフォーマンスについてはこう言及。4年前、8年前にはあった自信満々な振る舞いが影を潜めていると指摘している。

低迷を打破する日本のキーマンに柴崎と中島を指名、「これまで日本に決定的に欠けていた要素だ」

 その上で、同メディアは本田に代わる存在として2人の名前を挙げている。

「日本との対戦を控えるチームがむしろ警戒しているのは、ガク・シバサキだろう。FKの場面で並外れたボールを供給し、一時同点となるゴールを演出した。彼は今季序盤にあのバルセロナ相手に圧巻のゴールを決めたことで世界から注目を寄せられていた」

 まず一人目は、本田と同様、ウクライナ戦で半年ぶりに先発しアシストを記録したMF柴崎岳(ヘタフェ)だった。昨年9月のリーガエスパニョーラでのバルセロナ戦で、スーパーボレーを決め注目を集めたことも紹介している。

「ショーヤ・ナカジマの名前は注目すべきもう一人の存在だ。このアタッカーは、現在間違いなくポルトガルリーグのベストプレーヤーだ。すでに18ゴールと数多くのアシストを記録している。マリ戦では同点弾を記録。彼の迫力あるエネルギーと先を読むアプローチは、これまで日本に決定的に欠けていた要素だ」

 そしてもう一人がMF中島翔哉(ポルティモネンセ)だった。この2戦はいずれも途中出場ながら、マリ戦での土壇場での同点弾。ウクライナ戦もわずか11分の出場時間ながら、3本のシュートを放ち、ゴール前でFKを獲得するなど、インパクトを残すことに成功していた。

 英メディアは、欧州でも実績を残しつつある2選手に注目。共にここまでハリルジャパンでは重用されていないが、本番までの残りわずかな期間で、大胆な起用に打って出られるのだろうか。(THE ANSWER編集部)