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●謎のメニュー

回転寿司大手のスシローを傘下に持つスシローグローバルホールディングスが29日、新業態「鮨・酒・肴 杉玉」(以下、杉玉)の存在を明らかにした。杉玉のコンセプトは日本酒が楽しめる寿司居酒屋。お酒をフックに寿司をもっと身近にしたい考えだ。

○杉玉とは

杉玉は寿司、酒、つまみを楽しめる大衆寿司居酒屋。1品あたり299円、399円をベースに80品目から100品目の様々なメニューを用意する(店舗により異なる)。

想定売上は2500-3000円ほどとリーズナブルでありながらも、目を引くメニューが多いのが特徴だ。「飲めるサーモン」「うなぎシュウマイ」「鮪ロッシーニ風」などといった変り種メニューを多数用意する。

「飲めるサーモン」は、実際に飲めるわけではなく、低温調理をし、飲めるほどに柔らかいサーモンを使った寿司のこと。うなぎシュウマイは、シュウマイの上にうなぎが乗っており、辛子の代わりに雲丹をつけて食べるといったものだ。

ほかにも「キャビア寿司」といったものもある。キャビアと記された缶詰がそのまま出てきて、缶詰を開けるとキャビアがのった寿司が入っている。

こうした変り種を用意したのは。ホールスタッフと客の間のコミュニケーション創出を期待したもので、多数のメニューを揃えたのは、リピートしてもらうための施策だという。定期的に季節のメニューも5-10品投下していくほか、メニューの価格設定も、価格にとらわれずに価値を感じてもらえるものならば、499円、799円などといったスシローとは異なるメニューの開発と価格設定も行なっていくという。

●旗艦店は3店目

○披露したのは3店目

メニューの奇抜さもその他の狙いも理解はできるが、本当にうまくいくのか。そんな疑問も抱く人も多いだろう。

実は杉玉の披露に先立ち、実験店を2店運営してきた。1号店は兵庫県西宮市に昨年9月にオープン、今年1月には東京都千代田区神田神保町に2号店を構えた。1号店はすでに収益化ができており、2号店も出足好調なようだ。

今回、報道陣に披露したのは東京都新宿区神楽坂に所在する旗艦店の3号店(東京都新宿区神楽坂4-2)。このタイミングでの新業態の公表は、しっかりと店舗展開ができるという自信を得たからに過ぎない。シミュレーションを入念に行い、披露にいたったわけだ。

今後の展開についても、2018年9月期中に、関東、関西で1店舗ずつさらに増やす計画。以後は直営店を20店舗近くまで増やし、将来的にはフランチャイズ化も視野に入れていくという。

同社の水留浩一社長は「夢を語るなら店舗数は3桁まで増やしたい」と述べる。さらに「ある商材を軸に居酒屋的な使い方もできる業態はそうした規模まで広がる可能性がある。寿司を中心にした居酒屋業態はそれほど大きなところはないですから」とする。期待どおりに事が運べば、回転寿司のスシローに次ぐ事業の柱ともなりそうだ。