中国のアニメは、ここ2年ほどで大きな発展を遂げ、題材が豊富になり、商業化レベルも高まり、画風や特殊効果のレベルも高まっている。(イメージ写真提供:123RF)

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 かつては日本産のアニメが中国へ大量に輸出され、その逆はほぼないに等しい状況だったが、近年では中国オリジナルのアニメ作品が日本国内で放映されるケースも出てきた。ただ、その流れはまだ「本格進出」という領域には至っていないようである。中国メディア・東方網は9日、「日本人が中国のアニメを見下すのには、3つの理由がある」とする記事を掲載した。

 記事は「日本はわが国のアニメについて、なおも10年前のレベルに留まっているとの認識を持っている。実際はこの2年ほどでわが国のインターネットアニメはすでに大きな発展を遂げ、題材が豊富になり、商業化レベルも高まり、画風や特殊効果のレベルも高まっているのにだ。しかし、日本人が中国アニメを見下すのにはやはり理由があるのだ」としたうえで、その理由を3つ挙げて説明している。

 1つめは「アニメの産業体系が多分に幼稚であること」。「ここで言う幼稚は題材上の幼稚さではなく、アニメ産業体系のことだ。日本のアニメ産業は明確な分業制になっており、原作から最後のアテレコまで、標準化レベルが非常に高い。しかも、アニメ制作の歴史が長く、神レベルのアニメ会社や声優事務所が大量に存在する。この点では、中国はまだまだ何年も頑張らなくてはならない」とした。

 2つめは「国の規制が厳しいこと」だ。「映像作品に対する様々な規制によって、アニメの題材の幅が狭くなっている。多くの良い小説やマンガの作品をアニメに変えることができず、ストーリー性に優れた作品の知財権ビジネスに致命的な打撃を与え、作者の収入が制限されてしまっている」と解説した。

 3つめは「技術の点でなおも努力の必要があること」。「ここ数年で中国アニメの技術レベルは大きく高まりはしたが、見ていくうちに画風が崩れてくる状況も日常的だ。中国はアニメ人材が少なく日本側との協力が不可欠だったが、相手の技術に頼ることなく、自らのレベルを高める努力をすることこそが王道なのだ」と論じている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)