価格の安さに惹かれ、多くの人が購入する中国産の食品。しかし、台湾出身の評論家・黄文雄さんは、「安易に手に取る前に食の安全を考えるべき」と訴えます。黄さんは今回、自身のメルマガで中国の食品工場の衛生管理の杜撰さ、使用されている薬品の危険性などを白日のもとに晒しています。

中国】いまだ中国が有毒な偽物食品、偽薬品の輸出大国であり続ける理由

●「海外ダイエット食品」の模倣品工場を摘発 中国・江蘇省

蘇州での偽装食品の摘発です。記事によれば、その模倣の仕方はまるで研究者のようだったそうです。まず、本物をひとつ買ってきて、原材料として記されている物質をすべて調べて、同じものを調達し、それらを調合していきます。味も本物と同じにするために、本物の味を覚えてから、調合した原材料だけでは補えない味をクッキーなどをまぜて本物に近づける。完成したら、本物そっくりの偽のパッケージをつければ完成です。

偽物が大量にできたら、それをさばく業者もいます。今回は、インターネット通販を利用し、約10省・市・地区にネットワーク販売を展開して売りさばいていたということです。この摘発では、ダイエット食品だけでなく、人気ブランドの模造品なども大量に押収されました。逮捕された21人のうち、主犯格の男は、妻に「月6万元(約100万円)以上稼げるぞ」と喜びの報告をしていたそうです。

どういういきさつで摘発されたのかは、記事にはないので分かりませんが、習近平のクリーンなイメージを創り上げるための政府のプロパガンダを目的とした逮捕劇だったのかもしれません。

中国偽食品については拙著でも何度も取り上げてきましたし、このメルマガでも機会あるごとに紹介してきましたが、今一度、日本人の皆さんに注意を喚起するために取り上げたいと思います。

今、日本の食卓には中国産の食品が数多くのぼっています。スーパーでは中国産の加工品が国産のものより安く並んでいるため、つい手に取ってしまうことも多いのではないでしょうか。

ちょうど、最近、文藝春秋オンラインで「危ない中国産食品」シリーズという記事が配信されていたので、そちらを紹介したいと思います。これは過去の話ではなく、今現在の話だということを念頭に置いて読んで下さい。

● 週刊文春記者が見た! 危険すぎる中国産食品#1 漬物編 「ゴミじゃないよ、ニンジンよ!」

記者は、四川省の漬物工場にバイヤーを装って潜入取材しています。案内された工場の担当者は次のように言っています。

当社は、青菜、ニンニク、しょうが、大根、ニンジンなどの漬物を作っています。常温で、16カ月持ちますよ。安全面に問題ありません。中国のCIQ(中国検査検疫局)の調査に合格していますから。

もちろん安全なわけがありません。一部を以下に抜粋します。

なんと、ニンニクは地べたに積まれ、汚れたプラスチック容器にスコップで入れられていた。

別の発酵槽らしきものを覗くと、泥水のような茶色い液体に浸った多数の白い袋が見えた。どう見ても泥水にゴミ袋を放り投げたようにしか見えず、老女に尋ねてみた。「おばさん、この槽はゴミ置き場なの?」「ゴミじゃないよ! ニンジンを漬けているのよ! それは泥水じゃなくて塩水だよ。もう何年も取り替えていないからそんな色なのよ。このあたりの伝統の漬け方なの」

プラスチックの甕に入ったマッシュルームの塩漬けを見せてもらったところ、腐って黒くなっていたのだ。

これが、日本の外食チェーンで、パスタなどの洋食に使われているのかと思うと、寒気がした。

● 週刊文春記者が見た! 危険すぎる中国産食品#2 イカ・白身魚フライ編 山東省の「イカ社長」が産地偽装を認めた

次は山東省のイカ加工工場と白身さかなフライ加工場です。日本では冷凍のイカリングや白身魚のフライなどになって売られているものです。以下に一部抜粋します。

イカ社長から「酸化防止剤です」と説明されたが、刺激臭がしたのでふと気になり、イカが入っていない隣の容器に指を入れて味をたしかめようとした瞬間、「危ない! それを絶対口に入れるな!」とイカ社長に怒鳴られた。「その溶液に浸すと、イカが膨れて見た目がよくなるんだ。高く売るためだよ。でも、その溶液は口にしてはならない。自分なら形が悪くても添加物のないイカを食べるからね」

作業員たちはエプロンに作業着、手袋とマスクをしていて、イカ社長の加工場より一見清潔にしていた。ところが、ある作業員がさばいていた魚を数匹地面に落としてしまい、どうするのか見ていたら、拾ってそのまま他の魚と一緒にバットへ入れた。地面は魚をさばいた後に出る生ゴミで汚れていた。

日本に戻った後、段ボールに名前が載っていた企業へ、石島の加工場と取引があるのか確認してみたが、全ての企業が「そのような企業との取引はありません」と回答した。

これらの潜入取材を敢行した記者は、こうした話を本にまとめている(徳山大樹著『怖い中国食品、不気味なアメリカ食品』)ので、もっと読みたい方にはお薦めします。オンライン記事にも写真が載っていますが、本当に目を疑うものばかりです。

腐った食品を、自慢げに「常温で長期保存可能」などと自慢する担当者のいい加減ぶりが、いかにも中国らしいです。

ひところ前、毒餃子事件が日本で起きた際には、さかんに中国食品の危険性が喧伝されましたが、さすがに今では改善されたかと思いきや、上記のようなずさんな食品管理や偽物食品がいまだ横行している状態です。

こうした薬品漬けの偽物食品は、当然中国内でも大量に出回っており、僻地に行くと偽物だらけで本物を買いたくても手に入らないこともあるそうです。偽物は安いし味も悪くないため、何が悪いのと思うかもしれません。しかし、食品は毎日摂取するものです。粗悪品に含まれている有害物質を毎日摂取したらどうなるかは簡単に想像できます。病気になります。癌になります。そして今、中国政府は必死に隠していますが、中国での奇形児の数が急増しています。

● 年間80〜120万人の奇形児が生まれる中国で、びっくり人間「内臓逆位」が相次いで発見!

原因は食品汚染、環境汚染などが考えられます。上記のものは2年前のニュースですが、年間80〜120万人の奇形児が誕生しているということです。奇形児の約半数は、生後間もなく死亡するそうですが、約半数は生涯を全うするわけです。子供たちに明るい未来はありません。少子化の日本にとって、子供は国の未来です。障害児や奇形児が増えれば、国力も下がります。

再度言いますが、中国の問題はもう対岸の火事ではありません。中国産食品が日本の食卓にいくつも並び、大気汚染は中国からやってくる。中国産食品を何の疑問もなく食べ続けていれば、いつしか日本にも中国と同じような悲劇が生じてくる可能性があります。これは決して大げさではありません。

加工品だけでなく、野菜、肉、魚、中国ではあらゆる食品が汚染されています。中国産のうなぎには、太らせるために有害薬品が使われているとも言われています。日本の産地偽造など大した問題ではないと思えてしまうのは、中国の食品汚染があまりにひどいからです。そして、それらが日本に大量に入ってきて、堂々とスーパーで売られている可能性も少なくありません。安いからと安易に手に取る前に、今一度、立ち止まって食の安全を考えるべきでしょう。

統計数字から見ると、中国のニセモノは世界の80%を占めています。その次が韓国、北朝鮮と中華の国々の顔ぶれが揃っています。

中国の新興都市に義烏という街があります。ここは、中国最大級のマーケットとして中国輸入ビジネスをしたい人が世界各地から集まって賑わいを見せている街です。ここで売られている製品はみんな格安で有名ですが、その理由は、ほとんどすべてがニセモノだからです。先進国で禁止されている調味料や添加物も、発展途上国では禁止されていないため需要があるので、ここでは堂々と売っています。

日本はニセモノによって大きな被害を受けていますが、それは欧米諸国や台湾でも同じです。中国にはニセモノを村全体で生産しているニセモノ村もあります。地方の公安や警察に取締を要請しても、逆に警察に大金を要求されることもあります。日本人がニセモノをやめろと要求すれば、日本人が箸を使えるのも漢字を使えるのも、すべて中華文化のおかげなのだからパテント料を払えと言い返してくるのだから始末におえません。

ニセモノの中でも、最も悲劇的なのは偽薬です。死者が出る例も少なくありません。偽薬が出回った世界各地、ことにアフリカ諸国では死者が続出したという話もありました。

中国にとって、ニセモノやパクリといった手法は、すでに人々の生活の中に根づいて根を張っています。朱鎔基元首相はかつて、「中国では何でも嘘で、ニセモノでないのはペテン師だけ」と言いましたが、伝統文化だからいつまでたってもなくならないのです。

今回のまとめ

中国でまたも偽装食品会社が摘発、日本には現在も極めて不衛生な加工工場で製造されたり、危険な薬品まみれの食品が大量に輸入されている警察や公安に取締を求めても、逆に大金を要求されることもニセモノやパクリはもはや中国の伝統文化として人々の生活に根を張っており、いつまでたってもなくなることはない

image by: plavevski / Shutterstock.com

<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>

MAG2 NEWS