老後資金は現役世代共通の関心事でしょう。何歳くらいから貯蓄を始めたらいいか考えている人もいそうです。答えは、「できるだけ早くから」です。その理由は?

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早く始めるに越したことはない3つの理由

老後資金の貯蓄はできるだけ早くから始めるに越したことはありません。その理由は、大きく、3つあります。1つ目は、日本人の余命が延び続け、「人生100年時代」と言われるようになって老後の期間が延びたこと。老後が延びれば延びるほど、公的年金で不足する基本生活費はふくらんでいきます。

公的年金が満額もらえるようになる65歳からを老後と考えると、95歳までなら30年、100歳までなら35年です。この間、公的年金で不足する基本生活費の平均額が月10万円だとすると、30年で3600万円、35年で4200万円です。長生きすると、最後の数年(十数年になるかも)は医療・介護のお金がかかるようになり、その分も見込むと4000万円〜4500万円、介護施設の入居費用を考慮すると5000万円以上の老後資金が必要になります。

この、5000万円以上のお金を10年・15年の短期間で貯めることは、よほどの高収入の人でなければできません。つまり、貯蓄期間は長く必要ということ。これが、早くから始める越したことはない2つ目の理由です。

3つ目の理由は、5000万円以上のお金を作るには運用も必要で、これには、時間分散というリスクヘッジ法を使った方がいいからです。つまり、早く始めて、30年・40年という時間を味方にしろということ。

老後の貯蓄より、さまざまなイベントのお金準備の方が優先順位は高い!

ただ、人生には老後の前に、就職、結婚・出産、子育て(養育・教育資金)、住宅取得、マイカー購入、レジャーなど、お金のかかる大小さまざまなイベントがあります。と言うか、人はさまざまなイベントをこなすために生まれ・生きているわけですから、こちらの方が重要です。これこそが人生ですよね。老後は、人生のおまけみたいなものです。

ですから、当然ながら、若いほど老後資金よりイベントにかかるお金の方が優先順位は高いのです。すでに、40代・50代の人はどれかのイベントの真っ最中で、老後資金の貯蓄どころではなく、今さら「できるだけ早くから始めろ」と言われても困りますね。このような人たちには、イベントがひと息ついたら、老後の貯蓄を重点的にしてくださいとしかアドバイスできません。

イベント前の20代・30代は、イベント費用の積み立てと老後資金用の積み立てを併用しましょう。そして、働く期間を可能な限り延ばして老後を短くする、あるいは、生涯現役で老後をなくすのも、老後にかかるお金の作り方として有効です。
(文:小川 千尋)