そろそろ秋の声が聞こえるような季節になってきましたが、毎年、気がつけばあっという間に冬が訪れていますよね。

冬にと言えば、そう、スタッドレスタイヤに履き替える季節でもあります。

そんなスタッドレスタイヤの新たなトピックスが入ってきました。
「iceGUARD(アイスガード)」ブランドでスタッドレス商品を販売している横浜ゴムから新商品「iceGUARD 6(アイスガード シックス)」が発売されたのです。

2003年に登場した初代「iceGUARD」から6代目となる「iceGUARD6」を北海道旭川で試乗してきた結果、先代からの進化を大いに感じることができました。

実際に試乗したコースは、柔らかめの雪が降る中、シャベーットで轍を作ったようなコースとなってしまっていてしかも半分はウェットのような状態。そのようなコースでもコーナリング限界が明らかに高く、安定間を得ていたのがとくに印象に残っています。

これは「iceGUARD6」が持つ特徴の一部といえますが、その他、先代からどのように進化したか、またどのような構造を採用したかを説明していきましょう。

新たに登場した「iceGUARD 6(アイスガード シックス)」の特徴はいくつもあります。

気温上昇などの変化に対応するため、さまざまな凍結路で安心して止まることができる“氷上性能”の向上は6代で培った技術を元にもちろん向上しているのですが、「iceGUARD6」はとくにウェット路面での性能にこだわりました。

これは雪国においても近年、降雪量が少ないことが多くスタッドレスタイヤが苦手としている雪が溶けたウェット路面での性能向上を求める声が多かったことからとくに力を入れたそうです。
まとめると、「iceGUARD6」は「iceGUARD」が従来からコンセプトとしていた「氷に効く」、「永く効く」、「燃費に効く」に加え、ウェット性能を一段と高めることを目的に開発されたのです。

この「iceGUARD6」がウェット性能や氷上制動を大幅に向上することに成功したのはどのような技術が盛り込まれたかを見ていきましょう。

まず最初にお伝えしたい「iceGUARD 6(アイスガード シックス)」のポイントはタイヤのイン側とアウト側のパターンが異なる「非対称パターン」です。

イン側は主に氷上性能や凍結路面、ウェット路面へ対応するため接地面の向上を図るため採用したパワーコンタクトリブ(画像紫部)が大きな特徴でしょう。
リブを幅広とし凍結路面やウェット路面で接地面を確保できることで、ハの字型のサイプが路面に対してしっかりとエッジ効果を発揮し性能向上を実現しました。

また、主に雪上性能やウェット路面に貢献する新たなグルーブを採用したのがアウト側です。

タイヤエッジ成分を増加させ制動性を高めたライトニンググルーブ(画像青線部)や、雪上性能向上に寄与するトライアングルスポット(画像丸囲み部)などでスタッドレスタイヤに求められる性能を高めています。


さらに中央部に刻まれた新開発の4段立体サイプを採用したクワトロピラミッドディンプルサイプは端部の切れ込みから縦溝に効果的に路面の水を排水。また、切れ込みがエッジ成分の拡大にも貢献しているだけでなく、摩耗が進行した際のエッジ効果を持続する役割を得ています。

あと斜め方向のグルーブに横方向グルーブを組み合わせた新開発のダブルマイクログルーブも従来品とくらべさらに進化し、装着初期から高レベルの氷上性能を発揮することも忘れてはいけません。
しかし、トレッドパターンだけが「iceGUARD6」性能向上の理由ではありません。

氷上性能やウェット性能が大きく向上した「iceGUARD 6(アイスガード シックス)」もうひとつのポイントがプレミアム吸水ゴムです。


氷上路面でクルマが滑る原因は、氷表面が溶けて発生する水膜。新たなコンパウンドにより開発されたプレミアム吸水ゴムは、凍結路面上の水膜を吸収し、路面の微細な凹凸にしっかり密着することを可能としました。

このプレミアム吸水ゴムは「新マイクロ吸水バルーン」や「エボ吸水ホワイトゲル」、「シリカ高反応ホワイトポリマー」などをバランス良く配合して作られているのですが開発担当者いわく、「美味しさにこだわって作られた“炊き込みご飯”をイメージしてください」とのこと。炊き込みご飯もタイヤのコンパウンドも素材をいかにバランス良く配合するかが大切なんですね。

氷上性能やウェット性能だけでなく、残念ながら試乗だけでは確認できなかった低燃費性や耐久性ユーザーが求める低燃費性や耐久性も向上しているという「iceGUARD6」。スタッドレスタイヤ界において今シーズンの目玉製品になりそうな予感がします。

(テヅカツヨシ)

【関連リンク】

横浜ゴム
http://www.y-yokohama.com/

氷上性能だけでなくユーザーが求める新たなニーズ「ウェット性能」を重視した横浜ゴム「iceGUARD 6(アイスガード シックス)」(http://clicccar.com/2017/09/25/495684/)