ふくやの「味の明太子レギュラー」(240g/2160円)。素材を生かしたクセのないシンプルな味と、ピリッと効いた唐辛子の辛味が特徴的

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九州のロングセラー商品の秘密にせまる「メインド・イン・九州」。今回は、ふくやの「味の明太子」をピックアップ!

【写真を見る】原料の鮮度はもちろんだが、味の決め手となるのが、10年かけて作り上げた秘伝の調味液だ

■ ふくやの「味の明太子レギュラー」(240g/2160円)

素材を生かしたクセのないシンプルな味と、ピリッと効いた唐辛子の辛味が特徴的。鮮度のいいタラコを厳選して使うため、プチプチとした食感で、一粒一粒に存在感がある。丁度いい塩加減も旨さの秘訣だ。

■ 福岡名物に育てた日本初の明太子

日本で初めて明太子が発売されたのは1949年のこと。創業者の川原俊夫が、釜山の総菜“タラコのキムチ漬け”を再現すべく、独自に開発したものだった。当時は苦情がくるほど激辛で、まったく売れなかったという。それでも、試食会を開いて“辛すぎる”“味に締まりがない”などの意見をもらい、10年に及ぶ改良を重ねた結果、「味の明太子」ができあがった。博多ではご飯の供として、県外ではおみやげ品として徐々に人気を集めるが、品質維持の観点から卸しは行わず、直販のみに徹底。その代わり、“いろんな味の明太子があっていい”と、製法特許も商標も取得せず、地元業者に製法を公開し、1975年の新幹線開通を機に、全国区の福岡名物となる基盤を築いた。

その後も「あえもの明太子」や「tubu tube」など、多彩な商品を展開し、現在も業界No.1の売上を誇る。永く支持される理由は、元祖というブランドさえも掲げることなく、真摯に“味”を追求しているから。今でも、店舗のほとんどが福岡県内にある。明太子が家庭用から贈答用に用途を変えても、博多の食卓に欠かせない存在だ。

■ ヒットの裏側

発売以来こだわってきたのが“味”。原料の鮮度はもちろんだが、味の決め手となるのが、10年かけて作り上げた秘伝の調味液だ。特に、唐辛子は厳選してブレンドすることで、日本人の舌に合うマイルドな辛さに仕上げた。そして、伝統を守りつつ、時代のニーズに合わせた改良も加えている。

【九州ウォーカー編集部】