意外に紫外線防御効果が少ないビーチパラソル

写真拡大

日増しに陽射しが強くなってくるなか、外出の際の紫外線対策が欠かせないが、ことに女性にとって日傘と日焼け止めクリームのどちらに日焼け止め効果があるか気になるところだ。

そんな疑問に応える研究が米の皮膚科専門誌「JAMA Dermatology」(電子版)の2017年3月1日号に発表された。実際に炎天下のテキサス州の浜辺で比較した。軍配は日焼け止めクリームにあがった。

この研究を行なったのは、米ニューヨーク大学医学部皮膚科の専門医らのチーム。同誌の論文要旨によると、日焼けで肌が赤くなりやすい81人(男性25人・女性56人、平均年齢41歳)の協力を得て、2014年8月の晴天の日にテキサス州ルイスビル湖(標高159メートル)の浜辺で実験が行なわれた。参加者はSPF(紫外線防御指数)が100の日焼け止めクリーム(サンスクリーン剤)を塗るグループ(40人)と、同等の紫外線防御効果を持つビーチパラソル(日傘)を持つグループ(41人)に分けられた。そして、炎天下の湖畔で正午から計3時間半、日当たりのいい場所で過ごしてもらった。

日焼け止めクリームの方が3倍効果が高い

22〜24時間後に、それぞれのグループの皮膚の状況をチェックし、どれだけ赤み(紅斑)が現れているかを比較した。すると、肌の1か所以上に赤みが現れたのは、日傘組が41人中32人(78%)だったのに対し、日焼け止めクリーム組は40人中10人(25%)だけだった。日傘も日焼け止めも単独では完全に日焼けを防げなかっただが、効果はクリームの方が約3倍高かったわけだ。

研究チームは「日傘の方が効果は低かったのは、地面からの反射を防げなかった可能性がある。いずれにしろ、完全に紫外線から守るには、日傘と日焼け止めの併用が望ましい」とコメントしている。