By nicolethewholigan

コーヒー豆の賞味期限は焙煎してから豆の状態で2〜3週間と言われており、それを過ぎると豆が酸化して鮮度が落ち、風味とカフェインを失いながら味は酸味や苦味が強くなってしまいます。スターバックスやダンキンドーナツといったチェーン店で毎日コーヒーを飲む人にとっては聞きたくなかったニュースかもしれませんが、そういったチェーン店が使用するコーヒー豆は新鮮ではない可能性が非常に高い、と海外ニュースサイトのINSIDERは指摘しています。

Why your coffee isn't fresh - INSIDER

http://www.thisisinsider.com/is-my-coffee-stale-2017-4

コーヒーの専門家であり、コーヒー豆の焙煎工場の共同設立者でもあるトーマス・ハートコリスさんは、規模の大きなコーヒー小売り業者のほとんどが新鮮な焙煎コーヒーを店舗で提供していないと指摘しています。

ハートコリスさんによれば、焙煎したコーヒー豆は二酸化炭素を自然に放出するため、鮮度が保たれるのは「焙煎してから7〜10日程度」。この二酸化炭素の放出が終わると、コーヒー豆は酸化を始め、風味が失われ、カフェイン含有量も低下します。そして残念なことに、食品保存用の密封容器などではこの酸化を防ぐことはできないそうです。



By Michael Allen Smith

さらに、ほとんどの大手小売業者が大規模な施設で1度に大量のコーヒー豆を焙煎・梱包して各支店にコーヒー豆を供給しており、焙煎から少なくとも1か月は経過してから使用されていると指摘。なお、1度に大量の豆を焙煎するのは、小規模な焙煎を繰り返し何度も行うよりもはるかに効率が良く、コスト削減につながるためだそうです。

焙煎したコーヒー豆をなるべく新鮮な状態に保つため、小売業者の中には袋にガス抜き用バルブを取り付けたものを使用しているところもあります。バルブ付きの袋は二酸化炭素ガスは外に出られるものの、酸素は袋の中に入ることができないという構造になっているのですが、1度袋を開けてしまえばコーヒー豆の鮮度を保ってくれるわけではなくなります。ハートコリスさんの研究によると、1か月間袋の中に入っていたコーヒー豆は、袋が開かれたあと急速に酸化してしまい風味の70%を失うそうです。そして、これこそが大手小売業者のコーヒー豆には焙煎日ではなく「新鮮さが失われる日」しか記述されていない理由だ、とハートコリスさんは指摘しています。



By Matthew Hamm

ほとんどの大手コーヒーチェーンは「提供しているコーヒーが本当に新鮮かどうか」について話をするのに消極的であるのに対し、店内でコーヒー豆の焙煎を行う小規模なコーヒー店が新鮮さをウリにすることを恐れないのは「単に、焙煎後の新鮮なコーヒー豆でコーヒーをいれているから」とハートコリスさん。

ただし、鮮度が落ちたコーヒーを飲むことが有害というわけではありません。風味が弱く、カフェインが少なくなってしまっているわけですが、「ほとんどの人にとってその違いはわからないだろう」とINSIDER。コーヒーが新鮮な豆でいれられたものかどうかを知りたい場合、「クレマもしくは泡を見ること」と「いれたコーヒーがジェットブラック色になっていないか」を確認することをハートコリスさんは挙げています。



By Tim Dawson