『ストーンズ - トータリー・ストリップド』(ワードレコーズ)

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「セックス」「ドラッグ」「ロックンロール」といえば、1970年代以降の欧米の音楽シーンで盛んに言われた言葉。当時のロッカーたちの享楽的かつ破天荒な生き方を表していたが、いまやほとんど死語。特に現在の日本の音楽シーンでは、ミュージシャンが女絡みとドラッグ関連のスキャンダルでも起こそうものなら、芸能マスコミから大バッシングを浴びること間違いなしだ。

 しかし、カナダの研究者たちが先日発表した実験結果により、実はこの3つは人間の脳内で密接な関係にあることがわかった。

 2月9日発行の科学雑誌「サイエンス・リポート」に掲載された、カナダのモントリオールにあるマギル大学の研究者らの論文によると、その実験は、ボランティアの学生17人を集め、それぞれ自分の好きな音楽2曲を持参させて行われたものだった。

 実験でまず学生たちは、ナルトレキソンという薬を飲まされた。このナルトレキソンはモルヒネと似た化学構造を持つ化合物で、主に麻薬やアルコールなどの依存症の治療で使われる薬剤。これを摂取すると、体内にあるオピオイド受容体(麻薬やアルコール成分と結合すると鎮痛作用を生み出す)と結びついてしまうため、その後に麻薬やアルコールを摂取しても効果が表れなくなり、欲求を抑制する効果があるとされている。

 学生たちはナルトレキソンを飲んだ後、自分たちが持ってきた音楽を聴かされたのだが、好きな曲であるにもかかわらず、誰もが「いい曲だけど、いつもとは違う感じで、特に心を動かされることはない」と言い、特になんの喜びや楽しい感情も沸き起こらなかったと答えている。ところが、その翌日にプラシーボ(偽薬)を飲ませてから曲を聴かせると、「やっぱりいいね!」と答えているのだ。ということは、ナルトレキソンによりオピオイド受容体がふさがれたことで、好きな音楽が平凡なものに感じるようになったわけだ。

 オピオイド受容体は、糖分を含んだ食べ物を食べた時やセックスをしている時、ギャンブルをしている時などに脳内で発生するドーパミンと結びつき、快感を引き起こす作用を持っている。つまり、セックスとドラッグ、音楽、それに加えてギャンブルは、同じメカニズムによる刺激を受けていると証明されたことになる。

 一方、米ウェズリアン大学のサイキー・ルイ教授などが参加する研究チームによると、約80%の人は、音楽を聴くことで鳥肌や身震いなどの身体的反応を見せるという。さらに、音楽による刺激により敏感な人は「スキンオーガズム」と呼ばれる性的興奮に近い反応を示すということもわかっている。ちなみに同チームが、「スキンオーガズムを引き起こしやすい曲ベスト5」として取り上げているのが、以下の5曲。お試しあれ。

1. ラフマニノフ - ピアノ協奏曲第二番
2. アデル - Someone Like You
3. レオナルド・コーエン - Hallelujah
4. バッハ- Toccata in F Major
5. セリーヌ・ディオン - My Heart Will Go On