ウートピ読者のみなさま、こんにちは。
加藤千恵です。2017年となりましたね。

わたしは新年を口実に、お餅ばかり食べています。
好きな食べ方は、からすみ(すりおろしたものかパウダー)をまぶす、
からすみ餅です。

さて、前回でも発表していましたように、
今回がこのページの最終回となります。
毎回、みなさまの短歌を楽しく読ませていただき、
わたしとしても勉強になっていたため、とても寂しいです。

ですがまた他の場所でお会いできたなら嬉しいです。
もしかするとここに戻ってくるかもしれませんし!

このページで短歌に出会ってくださった方の人生の片隅に、
引きつづき短歌がありますように。

そして人生のみならず、本棚の片隅に、短歌集を置いていただけたりしても嬉しいです。(わたしのものだと狂喜乱舞ですが、もちろん他の方のものでも! 短歌集、読みやすくておもしろいもの、たくさんありますので)

最終回のテーマは「澄んだ空」

そして最終回のテーマは「澄んだ空」となっております。

こちらの不手際で、掲載や告知が遅れてしまったため、投稿作がいつもよりもだいぶ減ってしまい、紹介する作品も少なくなってしまっているのですが……。
ごめんなさい。

寂しい最終回にはなってしまいましたが、素晴らしい歌がたくさんありますので、いくつか紹介させてください。

想像力を掻き立てる一首たち

☆秋空で、蓋したはずの憧れがじゅわっと溢れて、また溺れそう(ふじみ)

読点はなくてもいいのかなあと思いました。充分にドラマ性があるので。
憧れが溢れる擬音が「じゅわっと」なのもいいですね。

☆葉脈の分かれた数だけ出会ってる楓いつかの炎のかたち(まなみ荘)

前半と後半の間、少しの飛躍が、歌自体を引き締めているように感じました。
空という言葉は使ってないけど、楓の後ろの空が見えるようですね。

☆たまに来て裸になって遊ぶより 高い空の下散歩したい(プリン頭)

前半の言い回しがおもしろく感じました。
普通の恋人や夫婦ではない関係性だと思うのですが、それをあえて明るく書いているところが。

☆空色の色鉛筆は持っているその他の色は全部なくした(西淳子)

今回、とても好きな歌でした。
なぜ空色だけ? なくしたのではなく、捨てたのでは? 想像が広がります。

☆死だろうか 澄みきった青に一つだけ浮かんだそれを死だと思った(かおり)

二回使われる「死」が、けれど暗くなりすぎずに効いていますね。
映像が浮かんでくる気がします。

以上です。

今回も、そして全六回をとおして、
一度でも投稿してくださったみなさま、どうもありがとうございました。
そして投稿せずとも読んでくださっていたみなさまにも、
心からお礼したいです。

本当にありがとうございました!

今回のテーマ「澄んだ空」に沿った、
わたしの自作短歌を一首発表させていただき、しめの言葉にかえさせていただきますね。

本当のお別れだとは思えない 遠ざからない空を見ている(加藤千恵)