「世の中お金だけじゃない」という人は、お金を儲ける努力をしていないことの言い訳をしているように感じます。儲かっている人への嫉妬心かもしれません。お金を儲けることの本当の喜びを感じたことがないだけかもしれません。

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お金を儲けることに苦労はつきもの

「世の中お金だけじゃない」という人は、お金を儲ける努力をしていないことの言い訳をしているように感じます。儲かっている人への嫉妬心かもしれません。お金を儲けることの本当の喜びを感じたことがないだけかもしれません。

自分が儲かっていないから、お金儲けが尊いことだとは認めたくはない。お金を持っている人たちの考え方は、お金がすべてなのだと思ってしまうのかもしれません。ただ、声を大にしてこんなことを言うと、非難ゴーゴーでしょう(笑)。

私は別に、世の中すべてお金でどうにでもできる、と言っているわけではありません。お金で愛が買えないのは当然でしょう(たまに買える場合もあるようですが)。むしろ、そうした極論に走ったり、過剰な反応をしたりする人は、やっぱり儲けていない人のように思います。

成功している人というのは、どんな形であれ、リスクを引き受けるという覚悟と選択をした人だと思います。不動産投資だって、数百万、数千万円という大金をつぎ込んで、数億円の物件を買うわけで、その後地震がくるかもしれないし、火災だって起こる可能性がありますし、それ相応のリスクがあるのは、今までお話してきた通りです。

楽天の三木谷氏がかつて語った、次の言葉が私は大好きです。
「私はよくリスクテイカーだと言われます。でも、本当はそうじゃない。限りある自分の人生を、精一杯やったんだと思いたいだけ。人生を後悔するという最大のリスクを回避しているんです。」

でもやはり実際には起業にも投資にもリスクがある。その中で、リスクにどう対応していくか考え、準備しておく。中には、実際にいろいろなトラブルが起こり、それを乗り越えてきた人の方が大勢でしょう。そうして、お金を儲けることに苦労はつきものだということを、身をもって体験しているからこそ、お金の使い方にもシビアになるのでしょう。

成金は悪なのか?

急にお金持ちになった人のことを、「成金」と呼びますね。高価な宝石を身につけて、高い車にのって、何もかもが高級な暮らしをする人たち……。そんなイメージが強いものです。でも、それが悪いことではありません。だって、私たちの多くは生まれながらにしてお金持ちではないですからね。

成金というお金を無駄遣いする経験を通じ、本当のお金持ちになっていくのだと思います。それは、欲しいものが一巡した後でやっと冷静になれる。そして自分に本当に必要か不要かを見極め、余計なことにはお金を使わなくなるのでしょう。

私の会社に出資してくださっている方は、多くのホテルや会社を抱える大富豪ですが、一見したら普通のおじさんです。着飾っているわけでも、美女を侍らせているわけでもありません。

お話させていただくと、さすがにただ者ではないオーラをひしひしと感じますが、道ですれちがって「あの人はお金持ちだ!」と気づくことはないでしょう。それくらい、本当にお金を持っている人は必要のないところには使わないのです。

では、成金の人たちはニセモノのお金持ちなのか、と疑問に思われるでしょう。ニセモノか本物かということではなく、要するにステージが違うのだと思います。

普通に考えて、お金のなかった生活に潤沢なお金が入ってくれば、気持ちにも余裕ができて、とりあえずこれまでほしいと思っても買えなかったものを買ってしまおう、と考えるでしょう。それを、誰かに見せびらかしたくもなるはず。

そこが、成金の人たちのステージなわけです。

重要なのはそこからです。

富裕層の姿とは?

しかし、そこで満足せずにさらに邁進し儲けてきた人は、お金を出して手に入るものはすでに手にした後ですから、もう何かを買う必要がなくなっています。十分に見栄を張った後なので、その必要もなくなる。見栄をはらなくても、堅実にビジネスをやっていれば人から認めてもらえますから、あえて虚勢を張るためにお金を使うようなことはなくなるでしょう。

そうして自然と、余計なことにお金を使わなくなるのです。だから、いわゆる富裕層になっていない前段階の人たちが成金なのです。まだモノを購入することに意識がいっている段階にいるということ。それがいい悪いではなく、お金を儲けている人ならおそらく誰もが経験する通過点ではないでしょうか。

もっとも、世の中には私たちのうかがい知れない特権階級の人たちがいて、金融資産1億円なんてゴミ同然という人種もいます。ですが本コラムでは、そういう人たちは除外しておきましょう。

「お金だけじゃない」という価値観があっても、それはそれでアリだと思います。その人の人生にとって、もっとも優先順位の高いことが家族であったり、友人関係であったりというのは当然でしょう。私だって、家族は何より大切ですし、自社の社員は体を張ってでも守りたいと思っています。

より良い暮らしのためにお金を稼ぐ

けれど、だからといって「お金は重要じゃない」ということにはなるわけではなく、最低限、家族にいい暮らしをさせたいと思えば、お金はどうしたって必要です。病気になったとき医者にかかるためにも、教育のためにも、スポーツや芸術など子供の才能を磨くためにも、お金は必要です。

嫉妬心に支配され、お金を儲けること(相手にハッピーを与えること)への思考が停止してしまうことが問題なだけなのです。

死んでしまった人を生き返らせることはできないけれど、生きている間はお金があれば解決できることが本当に多いでしょう。

日常のささいなことでもそうです。たとえば、お金があれば、スーパーで高い無農薬野菜を、迷うことなく買い物かごに入れることができます。お肉だって、国産のものを選ぶことができる。品質が問題視されているような食品を買わなくてすみます。

そういったよりよい暮らしのために、お金を儲けようとすることは、決して汚いことでもなんでもないと思います。そう考えると、「世の中お金だけじゃない」と言いながら、お金を儲ける工夫をしない言い訳をしている人ほど、現実を見ようとしていないのではないでしょうか。
(文:午堂 登紀雄(マネーガイド))