麺なしは増えているのか(写真は記事とは関係ありません)

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寿司のシャリを残して具だけ食べる客がいると最近話題になったが、今度は、ラーメン店で麺を残さないまでも「麺なしラーメン」を注文する客が増えていると、テレビなどが盛んに情報を流し、ネット上の話題を集めている。

しかし、その「名前」を巡っては、賛否の論議も起きている。

麺の代わりに豆腐や野菜を入れるラーメン店が

フジテレビ系ワイドショー「とくダネ!」は、2016年12月12日の放送で、最近はダイエットを気にして、麺なしでラーメンを注文する人が増えているとして、豆腐や野菜などを麺の代わりに入れる店があることを紹介した。

東京都立川市のラーメン店「立川マシマシ」では、麺の代わりに豆腐を入れた「中ラーメン」を750円で出している。店側は、「うちは麺を豆腐に変更できる」と説明していた。

一方、長崎ちゃんぽんで知られる「リンガーハット」の東京・銀座店では、麺の代わりに野菜を大盛りにしていると番組が指摘したが、名前にラーメンは入れず、「野菜たっぷり食べるスープ」(680円)になっている。

このほか、つけ麺の代わりに「つけ肉」も出している「舎鈴」東京・八重洲店や、麺ではなくキャベツを切って入れて「ラーキャバ」名で出している東京・赤坂のラーメン店「秀ちゃん」も番組で取り上げられた。

「麺なしラーメン」について、番組が男女100人に聞いたところ、賛成が36人、反対が64人だったという。出演者の間でも議論となり、賛成派は「麺が食べきれないのでいい」「選択肢が増える」と主張したが、反対だとした司会の小倉智昭さんは「ラーメンじゃない」「メニューの名前を変えろ」と息巻いていた。

番組の放送後には、ツイッター上で「麺なしラーメン」がトレンド入りするほどの話題になった。

2、3年前から注文が...

「麺なしラーメン」の賛否は、ネット上の掲示板などでも分かれている。

賛成の声としては、「残すを選ぶくらいなら全然有りだろう」「野菜ラーメンで麺抜きはやったことある」「ラーメンスープにご飯とかで最初から雑炊風もいいな」といった書き込みがあった。

一方、「なにこれ?麺よりスープの方がカロリークソ高いだろ」「ラーメンじゃないからな!店に失礼だぞ!」「ただの野菜スープだろ...」といった疑問や批判も多くなっている。

そもそも、麺なしのラーメンを注文する客がどれだけいるのか。

番組で取り上げられたリンガーハットにJ-CASTニュースが取材すると、広報担当者はこう明かした。

「2、3年ぐらい前から、麺がいらないというお客さまも確かに出てくるようになりました。個々の店で対応しており、断ったこともあったかもしれません。アンケートでも要望があり、対応できる商品をということで『野菜たっぷり食べるスープ』を昨年4月から始めました。メタボを気にしているのか、男性の注文も多く、ヒットしたわけではありませんが、じわじわと認知されています」

「野菜たっぷりちゃんぽん」(720円)と野菜の量は同じというが、とろみ感がなくなるため、片栗粉を入れるなど工夫しているそうだ。

また、ラーメンチェーン「一風堂」では、今回の番組をきっかけに、麺ではなく豆腐を入れた「白丸とんこつ100年豆腐」がネットで話題になっている。

一風堂を展開する「力の源カンパニー」では、麺なしラーメンの注文について「なかなか聞く話ではないですね」として、「白丸とんこつ100年豆腐」は、老舗の豆腐店と付き合いがあることからアイデアが出て来たものだという。とんこつの酸性と豆腐のアルカリ性が合ってまろやかな風味になった。あくまでも選択肢を増やした結果で、ダイエットしたい客から好評を集めることになったと言っている。