「40男には、現実を直視できていない人が多い」と明言するのは、男性学の第一人者である田中俊之さん。ここでは彼の著書『〈40男〉はなぜ嫌われるのか』より、世間から40男はどのように見られているのかを紹介しましょう。

あの俳優さんみたい
だったら合格

女子大生に「40歳前後の男性に対して、どのような印象を持っているのか」と質問してみた。そこで出てきた答えがこれである。「大沢たかおみたいだったら合格」。この基準に従うならば、ほぼすべての中年男性は不合格ということになる。

曖昧な表現はやめよう。おじさんが目を覚ますには、もう少し直接的な言葉が必要である。

好き好んでおじさんと
恋愛したい女性はいない?

一人で外食していると、ナンパしてくるのは40歳前後の男性です。いい歳こいてやめてほしい、と思います。

20代の女性にやたら手を出してくる人がいることに驚く。未婚だとさらに必死さがすごい。

女子大生に40代男性がモテる!とマスコミが騒いでいたが、絶対にムリだろう。なんでそんな話になったのかすら分からない。

1971年から74年に生まれた、いわゆる団塊ジュニア世代がすでに40代に突入した。あと数年で70年代後半生まれの人たちも、次々と40代になっていく。1990年代を昨日のことのように思っている感覚からすれば致し方ないのかもしれないが、40歳ともなれば、すでに立派な中年である。

好き好んでおじさんと恋愛をしたい女子大生など、いるはずもないだろう。冷静に考えれば誰にでも分かる。どこか腑に落ちない気がするのは、リアリティが現実とズレてしまっているからだ。

「まだまだ若い」30歳
40歳は「いい年」

30歳になった時のことを思い出してみよう。それなりにショックはあったものの、同時に、まだ若いという安心感があった。実際、その印象に違いはない。現代の日本において、アラサーはまだ「若者扱い」を受けている。

雇用支援に目を向けてみよう。フリーターやニートが社会問題となっているため、厚生労働省は若年者雇用対策に力を入れている。「次代を担う若者の雇用・生活の安定を図るため、正規雇用化を支援します」。実に頼りがいのある言葉だが、ここで想定されている若者は34歳までのため、35歳以上はすでに若者ではないからである。

結婚についても触れておきたい。2012年の時点で、25歳から29歳までの男性の未婚率は69.2%である。いまや、20代後半で結婚するほうが少数派になっている。30歳から34歳でも46%なので、30代前半はまだ結婚を焦るような年齢ではない。雇用支援と同じように、34歳ぐらいまでは若者の特権として独身でも許される空気がある。未婚率は35歳から39歳になると、34.8%まで下がり、40歳から44歳では28%と、3割を切ってしまう。

残された男たちは、「もしかして結婚しない人生を送るのだろうか…」と、明らかにマイノリティとなった自分の立場に焦燥の色を隠せなくなる。

40男が避けられる
そのワケとは

この数字を頭に入れてから冒頭で紹介した女子大生の言葉を思い出してみると、妙に説得力がある。若い女の子を必死に口説こうとする40歳前後の未婚男性は、宝くじの高額当選を望むのと同じようなテンションで、「年の離れた女性と結婚する」という一発逆転に賭けている。これはまるで女性が、自分の所有する「モノ」のようである。

結婚だけでなく、既婚者や不倫願望も含めて、若い女性を口説くことだけが気持ち悪がられているのではない。そんな40男の発想が彼女たちに見抜かれているからこそ、避けるべき存在として扱われている。現実を直視できずにズレているのは、やはりこちら側なのだ。

「アラフォー」などという生易しい呼び方はやめようーー。この本では30代後半から40代前半までの男性を「40男」と呼び、彼らのリアリティと現実のギャップを痛快に解説!「昭和的男らしさ」と「平成的男らしさ」の狭間を生き、「若いですね」と言われたい中年男たちの正体とは?