古いお米がよみがえる!「夏みかんライス」のススメ

写真拡大 (全4枚)

味覚や食の科学に関して面白い切り口で紹介する「味博士」が、「味覚センサーレオ」をはじめ科学的に食を紹介します。

お米を美味しく食べるには


実は、精米したお米生鮮食品と同じくらいデリケートなんです。

高温・多湿・乾燥の状態では変質しやすく、精米日からおいしく食べられる期間は夏場では1ヶ月。それ以外の季節は約1ヶ月〜2ヶ月が目安だとか。

おいしくお米を食べるためには、涼しく日の当たらないところに保管し(冷蔵庫野菜室)、こまめにお米を買うのがベターです。

ただ、「たくさんお米をもらった・・」「古い米が余っている・・」なんてお悩みがある方は是非、次の裏技をお試しください!

夏みかん・甘夏の果汁で米に粘り、つやがでる?



静岡県立短期大学の江間 章子氏らが、夏みかんの果汁を直接炊き込む方法で古いお米の食味の改善について調査しています。

果汁、食酢を使った調査では、果汁・食酢の使用により香り、粘り、かたさ、そしてつやが改善されたそう。炊飯時に、加水量に対して夏みかんなら40%、甘夏みかんなら60%の果汁に食塩を0.5%加えると味が良いそうです。(加水量は米の重量の1.5倍)

これは試さねば!ということで、甘夏みかんの果汁を用いて、次の条件で炊いてみました。

・ 米150g(水90gの吸収量含む
・ 甘夏果汁135g(夏みかん約2個分)
・ 塩1.1g(加水量の0.5%)

すると驚いたことに、フルーティな酢飯風の夏みかんライスが出来上がったのです!

酢飯は、合わせ酢を作り炊き上がった米にかけながら冷ますのでめんどうですが、これは失敗なく簡単。何よりもみかん色が鮮やか!

夏みかんでも試してみたのですが、色が薄く、酸味が強いため、個人的には甘夏がおすすめです。

またご存知のように、すし飯は塩分が高めです。

しかし、上記の夏みかんライスは、0.5%塩分(食塩相当量約1g)と、いつもの酢めしにくらべておよそ半分に塩分を減らすことができます。

簡単に作れて、減塩もできるのは素晴らしいですね!

この夏、お洒落に夏みかんライスをいかが?


簡単に作れるフルーティな夏みかんライス

てまりずしにしてみましたが、なかなかいける味!持ち寄りのパーティなどでも喜ばれそうです。


オリーブオイル、こしょう、刻んだ野菜をあわせて夏みかんライスサラダ風にしてもさっぱりいただけました。


皆様もこの夏、さわやかな夏みかんライスに挑戦してみてはいかがでしょうか?

参考文献
柑橘果汁の炊飯への利用 調理科学 Vol.23 (1990) No.2 p.198-205
柑橘果汁の炊飯への利用(第2報)-古米への効果- 調理科学 Vol.24 (1991) No.2 p.89-95

著者:味博士


味覚研究家。AISSY株式会社代表取締役社長 兼 慶応義塾大学共同研究員。味覚を数値化できる味覚センサーを慶大と共同開発。味覚や食べ物の相性の研究を実施。メディアにも多数出演。ブログ『味博士の研究所』で味覚に関するおもしろネタを発信中。



味博士のキッチン

当コンテンツをご覧頂き有難うございます。
味博士で御馴染のAISSY株式会社(http://aissy.co.jp/ajihakase/index.php)で代表取締役を務める鈴木でございます!...