都知事選の「台風の目」となるか

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ご本人は結構「やる気」らしいのに、メディアはなかなか「有力候補」扱いしてくれない――「ポスト舛添」をめぐり、そんな微妙な扱いを受けているのが、作家の百田尚樹氏だ。

次の東京都知事をめぐり、新聞・週刊誌ではさまざまな人物の名前が浮かんでは消え、浮かんでは消えている。「桜井パパ」のように、「出ない」と断言したのに話題に上る人もいるのだが、百田氏はツイッターなどで繰り返し、出馬に前向きな姿勢を示しているにも関わらず、新聞・週刊誌などでは「冷遇」が続いている。

マック赤坂ですら名前が載ってるのに

たとえば、朝日新聞の2016年6月25日付朝刊だ。候補者選びの難航ぶりを伝えるこの記事では、「これまで名前があがった主な人たち」として、橋下徹・前大阪市長や桜井俊・前総務事務次官、蓮舫・民進党代表代行、東国原英夫・元宮崎県知事など、18人を掲載している。中には蓮舫代表代行のように、すでに不出馬がほぼ確定した人も目立つ。

ところが、「泡沫候補」を自認するあのマック赤坂氏ですら記事に登場するにもかかわらず、記事中に百田氏の名前はない。一応、マック赤坂氏は正式に立候補を表明しており、百田氏はまだ「検討」段階という差はあるにせよ、である。

これは別に朝日新聞だから、というわけではない。今週発売の週刊誌では、18日の出馬示唆から発売(20日)まで間もなかった「週刊朝日」や「週刊ポスト」は仕方ないとしても、小説を連載している「週刊文春」ですら、8ページの特集に百田氏の名前は見えず。

「週刊新潮」でも特集では一切言及がないが、別枠で2ページのインタビューを掲載した。ここでも百田氏は、現実的に当選は難しいと認めつつも、「都知事選でひと暴れしてもいいかなと考えてしまうんですよ」「打って出るだけの意味があると思っています」と、本気度の高さを感じさせる発言を連発している。

「告示日ぎりぎりまで考える」と発言

少なくとも新聞、雑誌などの都知事選特集で、「有力候補」格として名前を挙げたのは夕刊フジくらいしか確認できない。ツイッターでの出馬示唆発言は大きな注目を集めたものの、現時点では各メディアともに、扱いを決めかねている、というのが現状のようだ。

その百田氏は20日、

「地道にこつこつと活動しているジャーナリストや作家が政治家を志すのはギリギリありかなとも思う。しかしテレビに出て顔を売りまくったジャーナリストや、ベストセラーを出して名を売りまくった作家が、それを利用して政治家になるのは、ズルさを感じる。さて、私もズルの一人になるのだろうか」

とつぶやいたのを最後に、ツイッターでは都知事選への言及をしていない。前述の週刊新潮では、「マスコミの反応をもっとよく見てみたい」と語っていたが、現状はどうご覧になっているのか――。