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セルフ式コーヒーショップのコンディメントバー(トッピングコーナー)。砂糖、ミルク、はちみつなどのトッピングで、コーヒーを自分好みの味にカスタムできるため、利用する人も多い。ただ、中には困った客もいるようだ。

都内のコーヒーチェーンで働くMさんは、コーヒーを買うたびに、ポーションミルクとスティックシュガーを大量に持ち帰る客に憤りを感じている。「どう考えても一杯のコーヒーに入れる量ではないんです。持ち帰って別の用途で使っているはず」。一杯のコーヒーに対して、ポーションミルクとスティックシュガーを10個ずつほど持ち帰る人もいるという。

自由に使えるトッピングコーナーだからといって、砂糖やミルクを大量に持ち帰ることは法的に問題ないのだろうか。石井龍一弁護士に聞いた。

窃盗罪に当たる可能性がある

「他人の物を無断で取ると、窃盗罪という犯罪になります。コーヒーショップのポーションミルクやスティックシュガーはお店の物ですから、『使ってよい』という店側の承諾がない限り、無断で持ち帰ると窃盗罪になります」

石井弁護士はこのように述べる。「ご自由にお使いください」とアナウンスされているような場合でも、窃盗にあたる場合があるのか。

「いくら『ご自由にどうぞ』という趣旨でトッピングコーナーにミルクなどが置かれているとしても、限度なく自由に利用していいというわけではありません。

そのお店で買ったドリンクを楽しむのに必要な限りで『使っていいですよ』という趣旨で設けられているコーナーであることは、社会常識的にも当然の理解だろうと思います。その限度を超えて大量に持ち帰りについてまで店側が承諾しているとは考えられません。

ただ、大量持ち帰りをしている人も、それが「窃盗」にあたるとは考えていないのではないだろうか。

「たしかに、『ご自由に』と書いてあったため、『大量に持ち帰ってもよいと思った』という弁解がされた場合、窃盗罪の故意が認められない可能性があります。

また、『どの程度までなら持ち帰ってよいのか』という点についても基準は曖昧ですから、

現実的に窃盗罪としての立件が難しい場合も考えられます。

大量に持ち帰ろうとする客に対して、店員が『そんなに取らないで下さい』などと制止したのに、無視して持ち帰ったというような場合は、明確に窃盗罪と言ってよいと思います。

なお、そのような窃盗をするつもりで店に入った場合(たとえば、店員に制止されても砂糖・ミルクを大量に持ち帰ろうと考えて入店したような場合)、住居侵入罪も成立します」

石井弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
石井 龍一(いしい・りゅういち)弁護士
兵庫県弁護士会所属 甲南大学法学部非常勤講師
事務所名:石井法律事務所
事務所URL:http://www.ishii-lawoffice.com/