映画『テラフォーマーズ』公式サイトより

写真拡大

 実写映画『テラフォーマーズ』が4月29日に公開された。映画を見た観客が映画レビューサイトに続々と感想をつづっている中、実写映画『進撃の巨人』シリーズと同じく最低評価と最高評価が多い状況になっている。また劇中で続編を予感させるセリフが展開されたことで、原作ファンが悲鳴を上げている。

■最低と最高の評価…どっちが正しい?

 主演・小町小吉(こまち・しょうきち)の伊藤英明(40)を筆頭に、武井咲(22)や小栗旬(33)、ケイン・コスギ(41)、山田孝之(32)ら豪華な俳優陣が揃った『テラフォーマーズ』。映画評論家や試写イベントの観客の評判が低い本作だが、全国で公開がスタートして各種レビューサイトに続々と感想の声が集まってきている。

 特徴的な傾向は、最低評価が最も多く、その次に最高評価が多いこと。前評判通り、「観客を馬鹿にするな」「この監督の名前は生涯忘れないと思う。悪い意味で」と失望感や怒りをぶちまける非難が出ている一方、「映像が凄かった」「最後まで楽しめた」と絶賛する擁護もあり、評価が真っ二つになっているのだ。そして、その間の一定程度の評価が少ないという、奇妙な事態になっている。

 昨年夏に公開された『進撃の巨人』シリーズでも似た現象が起きた。このときは「無料チケットが配布され、高評価レビューをお願いされた」というウワサが流れていた。

「"PR工作"も疑われていますが、チラホラ見受けられるのは、家族連れで見に行った方のレビューです。あの害虫の描写やバトルシーンのエグさは抑え目で、まがいなりにも日本の"最新CG技術"を駆使しています。また"進化したあの害虫と戦う"という設定自体は、原作を知らずに観れば新鮮な要素。GWの家族連れを狙ったライトな娯楽映画に仕上げたと解釈することもできるでしょう。ただし、それは本気の作品作りを放棄した原作ファンへの裏切り行為であり、低評価が多いことに変わりはありませんが」(報道関係者)

 もう一つ、原作ファンをゲンナリとさせていることがある。劇中後半に伊藤が、続編を予感させるセリフを展開したことから、「やめて」と阿鼻叫喚の悲鳴を上げているのだ。

 監督をつとめた三池崇史(55)は、4月29日放送のAbemaTVでの本作特番に出演して「虫が嫌いですが、映画を作ることは楽しめました。ぜひ観ていただきたいです」と語るなど本作をPR中。今後は映画『土竜の唄 潜入捜査官 REIJI』の続編を制作することが決まっている身だ。

「原作的には、今回のキャラクターたちが登場する第1部の話から約21年後を描く第2部『アネックス計画』編があるので続編は可能です。もちろん今回の結果次第でしょうが、続編が決定すれば再び非難の嵐が吹き荒れそうですね」(前出・関係者)

 公開初日から賛否両論の映画『テラフォーマーズ』。せめて酷評された映画「進撃」シリーズ後編の『進撃の巨人 エンド・オブ・ザ・ワールド』が記録した興行収入16.8億円以上は欲しいところ。果たして、続編が期待されるほどの結果を残すことができるのか……?

文・海保真一(かいほ・しんいち)※1967年秋田県生まれ。大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーライターに。週刊誌で執筆し、芸能界のタブーから子供貧困など社会問題にも取り組む。主な著書に『格差社会の真実』(宙出版)ほか多数。