いまやスマートフォンからライブ配信できる時代ですが、世界初のライブカメラは、1991年、ケンブリッジ大学のコンピューターサイエンス学部のPCに接続された「WEBカメラ」です。

開発された理由ですが……親しい人の顔を見たかったわけでも、自宅のペットを確認するためでもありませんでした。

廊下のコーヒーポットにコーヒーが入ってるか、確認する手間を省くためだったのです。

 

(Trojan Room coffee pot - Wikipedia)

ケンブリッジ大学の旧コンピューター研究室内に、「トロイの部屋」(Trojan Room)と呼ばれる部屋があり、そのすぐ外の廊下にコーヒーポットが設置されていました。

研究に明け暮れていた研究員たちは、寝不足の目を覚ますためにコーヒーを何杯も飲む必要がありました。

ところがコーヒーを注ぎに廊下に出ても、空っぽのポットに直面することが少なくありません。

コーヒーポットに中身があるかを確認できれば、往復を減らすことができるし、無駄骨に終わったという精神的苦痛を軽減することもできます。


コーヒーポットのライブ映像を解像度128x128のグレースケールでライブ配信できるようにしたのが、WEBカメラ誕生のきっかけなのです。

最初は1991年にビデオキャプチャーカードを使ってローカルネットにカメラを接続していました。

[画像を見る]
1993年にはインターネットに接続、インターネット越しにユーザーが見られるようになりました。

このWEBカメラは2001年に研究室が引っ越したときに切断され、その時のコーヒーポット(4〜5代目)はのちにebayで3350ポンド(約60万円)で売却されています。

この意外なWEBカメラ事情に対する、海外掲示板のコメントをご紹介します。

●うちの職場では、誰もがコーヒーができ上がっているかの確認を面倒くさがるので、IRC(チャット)を使って、コーヒーができると通知が来るようになっている。
うちの課には窓がないので、同僚のひとりがWEBカメラを屋外に向けて、この部屋の画面からいつでも見られるようにしてあり、この地下牢の雰囲気をちょっと明るくしてくれている。

↑>「同僚のひとりがWEBカメラを屋外に向けて、この部屋の画面からいつでも見られるようにしてあり、この地下牢の雰囲気をちょっと明るくしてくれている」
今日読んだ中で、最高にオタクな感じでおもしろい内容だ。

↑ドイツではそれが違法でよかったよ。窓がないところで2時間以上働くことはドイツでは禁止されている。

↑マジで?

↑その通り、健康の理由からね。

●だけど誰もコーヒーを見に行かなければ、誰もコーヒーを作らないじゃないか。

●よくわからないな。もしモニターされてるなら、だれが最後のコーヒーをリフィルしなかったかわかるじゃないか。空っぽのコーヒーポットを映しているだけってのは意味がなさそうだ。本当にコーヒーが欲しければ作るだろうしね。

↑それでも、いつコーヒーができたかお知らせしてくれる。

●うちの上司も「必要性から発明されるのではなく、なまけたさが発明の母なんだ」と言っていたが、これはその証明だな。

●アポロの月面着陸の本当の理由は、多くの人に信じられていた内容とは反していて、堂々とした「なまけ心」からだった。

↑必要性からではなく、カッコよく見せたいだけだった。

↑実際はそうでもないけどね。

●自分は歳をとってるのでこのエピソードを覚えてるよ。ソニーで働いていて、そのライブ配信を見ることができたよ。なぜかわからなかったがおもしろかった。

↑自分は大学生で見ていた覚えがある。

●ちなみに今時のコーヒーメーカー配信はこんな感じ。
Trojan Room Coffee Pot - SPIEGEL ONLINE


当時は知る人ぞ知るコーヒーポットの配信だったようで、見たことがあるとの声が少なからず上がっていました。

WEBカメラ発明の理由がコーヒーとは、「なまけ心が発明を生む」のは真理なのかもしれませんね。

TIL the first webcam was invented to monitor a coffee pot.

【「WEBカメラはどんな目的で発明されたの?」→「コーヒーポットに中身が入ってるか確認したかったから」】を全て見る