(撮影:大内翔太/フォート・キシモト)

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川島永嗣が10月の日本戦でも招集されないのではないかと言われています。所属チームが決まらないのです。

僕もヨーロッパへの移籍を目指し、いくつもテストを受けましたが、決まりませんでした。その決まらない時期の焦りを思い出します。本当に辛い経験でした。

川島はそこに代表選手としての生き残りもかかってきて、さらにプレッシャーが大きいと思います。2014年ワールドカップでゴール前に立っていた選手が、どこでもプレーできないというのは、言葉に出来ない苦し思いがあるでしょう。

川島以外にも心配な選手たちはいます。2年前、日本を救うことになるのではないかと期待され、宇佐美貴史よりも代表定着の可能性が高かった選手――柿谷曜一朗なども、クラブの重要な試合ではなかなかチャンスを与えられません。

新しい環境に身を置くということは冒険です。すぐに結果が出ることのほうが難しい。だから柿谷がヨーロッパで通用しないとは言えません。だけど出番がないことは別の問題です。

2人の契約状況がどうなっているか僕にはわかりません。ですが、試合出場の機会が少なければ、どうしても試合勘は失われます。90分間プレーする体力の感覚というのが消えていくのです。

ヨーロッパで出番が少なく、苦しんでいる選手たちは、Jリーグに戻ってくることが一番いいと思います。ハリルホジッチ監督の目も届くでしょう。ですが、残念ながら移籍ウインドウは8月7日で閉じてしまいました。

だったらこの際、アジアのどの地域でも良いですから、プレーする場所を求めたほうがいいと思います。無所属の川島に制約は少ないでしょう。柿谷はこのままなら冬のウインドウを狙ってはどうでしょうか。

選手はプレーしてこそ。はやくピッチの上にいる川島や柿谷の姿を見たい。そして代表に戻ってくることを楽しみにしたいと思います。