アパレルから小物雑貨へと、複数のファッションブランドを展開し、2007年の創業から8年目で売上高100億円へと急成長を遂げているSMbrandの代表取締役の松田周氏(31)(写真)に、ブランド戦略と今後の展望を聞いた。

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 若い女性に人気のアパレルブランド「Rady(レディ)」を展開するSMbrand(東京都渋谷区、代表取締役:松田周)は、今春にタレントの後藤真希さんを起用したカラーコンタクト「HONEY DROPS」で話題を集めた。アパレルから小物雑貨へと、複数のファッションブランドを展開し、2007年の創業から8年目で売上高100億円へと急成長を遂げている。同社の代表取締役の松田周氏(31)(写真)に、ブランド戦略と今後の展望を聞いた。
 
――今年7年目を迎えた「Rady」は、今年、新宿ALTA、仙台PARCO、福岡PARCOで出店された限定SHOPが3時間待ちの行列ができるほどの人気ぶりです。これほど人気を得るブランドに成長したのは、何が消費者に受け入れられたのでしょう?
 
 限定SHOPについては、お客様の方々から、是非地元で開いてほしいという要請があって、可能な限り、全国で開催するようにしているのですが、 オープン初日には400〜500人の方々で行列ができ、3時間待ちであっても、並んで買っていただくお客様には、本当にありがたいと思っています。

 ただ、人が来すぎてしまい近隣の店舗に迷惑がかかるケースが多々あり、なかなか開催出来る場所がないのも難しい悩みです。 
 
 「Rady」の店舗は、東京・原宿と、大阪・梅田、心斎橋に開設していますが、どの店舗でもアパレルのテナントの中で、売上、坪当たりの販売金額が頭抜けた存在といわれています。
 
 改めて、「何故、人気があるのか?」と問われても、それに対する適当な答えは持ち合わせていません。「Rady」は発売当初から、皆さまに受け入れていただき、ずっと人気を保ってきました。実際に、近年の状況は、私たちのブランドでありながら、お客様の反応に「なんかRadyって凄いなぁ」と、私たち自身が、もはや自分たちのブランドではないような気にさえなっています。
 
 WEBのSHOPでは、人気商品は2〜3分で売り切れます。5分以内で完売というケースも当たり前になっています。気付いたら、今のようになっていたというのが、正直な気持ちです。もちろん、メーカーですから、商品を売りたいと思い、毎回、新作を出すたびに、様々なチャレンジをしてきました。そのチャレンジの何が良かったのか、どれが受けたのか、これという決め手が思いつかないほど、いろんなことをやってきました。
 
――ブランドの価値を維持し、高めるために大切にしていることは?
 
 買っていただいた後のことを常に意識しています。「買った後で後悔させない」というのは、当社が展開するブランドに共通するコンセプトです。常に、ドキドキし、ワクワクするような期待を感じていただき、買った後もそのドキドキした思いが続くような工夫を常に考えて実施してきました。
 
 たとえば、発売後すぐにSALEで数十%オフにし、安く見せて販売するやり方をやってしまうと、定価で買ったお客様はがっかりしてしまうと思います。セールの乱発はしないということをブランド発足当初から大事にしています。セールを実施する時でも、短期間限定など、限られた日程で実施しています。 
 
 また、ファッションブランドなので、ちょっとした集まりで、自分と同じ服を着ている人がいると、気持ちが下がってしまうと思うので、そもそも1品の販売枚数を限定しております。100人欲しい方がいてもあえて50枚しか販売しません。カタログを見て欲しいとおもった服が簡単に手に入っても喜びも少ないと思います。少し頑張らないと買えない服。それがRadyです。

 そういった、レアなアイテムやカラーのものが手に入った時に、SNS等で写真をアップすると、友だちから「いいね!」と言ってもらえると、うれしいと思いますし 、羨ましがられ優越感もあると思います。そのうれしい感覚が購入後も続く事が大事だと思っております。