たっぷりの仕掛けと企みに満ちた壮大な物語絵巻、つまり“虚構”を貪り読む愉楽──。今年の読売文学賞を受賞した円城塔の新たなる代表作『コード・ブッダ』は、読み手の想像力を試す大真面目なユーモアとともに、AIと人間の縁起を描いた小説だ。