河合隼雄先生は、日本の社会を「母性社会」と呼んだ。ごくかいつまんで言うと、以下のような意味だ。母親は、自分の子供であれば皆同じように可愛いし、全員に同じように期待する。たとえ成績や素行が悪い子がいても、大器晩成型だと思って期待しつづける。どんな子であっても諦めはしないし、もちろん決して見放したりもしない。子供それぞれの適性や個性や意思に応じて成長すればよいという発想ではなく、自分の子には皆同じよう